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長野県建設部北信建設事務所,(社)長野県建設業協会飯山支部

「地域支える若者つくる」/下高井農林高で除雪車操作実習

2020/08/28 長野建設新聞

 県北信建設事務所(丸山進所長)と県建設業協会飯山支部(藤巻篤支部長)は26日、県下高井農林高校の2年生を対象とした除雪車操作体験実習を同校で開催した。

 県内随一の豪雪地である中野・飯山地域は、除雪作業なくして住民生活を守ることはできないが、建設業従事者の高齢化や担い手不足により除雪体制の維持が危ぶまれている。こうした背景から3年前、高校側が除雪車の操作体験ができないか支部に相談。県と支部協働の取り組みとして実習が実現した。

 今年の実習にはグリーンデザイン科の2年生17人が参加。まず建設事務所の百瀬光広主任技術専門員が過去の豪雪災害を紐解きながら地域における除雪業務の重要性を解説。続いて建設事務所飯山事務所の髙橋將也主任が除雪作業の方法や機械の種類、必要な資格などを説明し、「この地域では、建設業の皆さんは1年のうち4カ月は除雪作業に当たる。住民生活を守るため、それぐらい大切な仕事」と強調した。

 操作体験では建設事務所の職員と協会員のフクザワコーポレーション、サンタキザワ(ともに飯山市)の社員が講師を担当。用意した3台の除雪ドーザーに生徒一人一人を乗せ、操作方法を指導した。生徒は車両を前後に走らせたり、排雪板を高く持ち上げたりし、高揚した表情を浮かべていた。参加した山﨑清くんは「車両は大きいが、思った以上に機敏に動かせた」と感想を話した。

 進路指導の中村泰久教諭は「この地域では雪との戦いが生活の中にある。除雪をしてくれる方々がいて、われわれは日常生活を送ることができる。進路を考える上で、地域の課題を、体験を通して知ることは非常に重要」と話し、実習の進行役を務めたフクザワコーポレーションの福澤直樹社長は「当支部ではこの実習のほか現場見学会も開催し、次世代の担い手確保に取り組んでいる。実習を受けた生徒が地域の建設会社に就職する良い流れも生まれている」と笑顔を見せた。

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