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9月補正予算示す

2020/09/11 群馬建設新聞


山本一太知事は10日、18日に開会する定例議会へ上程する9月補正予算案を明らかにした。電気事業会計で沼田市内にある白沢発電所の設備更新に向けた実施設計委託などへ、2021年度を期限とした債務負担行為と合わせて1億5400万円を確保。議決後早期に設計委託したい考え。一般会計は県庁7階へ整備する災害対策本部実施室の基本・実施設計委託料に、916万5000円を計上。公共事業費は、国庫事業の内定に伴い67億円余を追加する。

山本知事は会見で「」と「コロナウイルスと戦い抜くため、新型コロナ第2波対応準備予算として編成した」と説明。一般会計補正予算総額約412億円のうち、新型コロナウイルス対策が332億円を占めた。

白沢発電所は沼田市白沢町尾合字三沢甲892地内にあり、薗原ダムで発電している。整備から55年が経過してることから、電力の固定価格買取制度(FIT法)への適用も含め、設備の全面更新を計画している。19年度に同じく沼田市内にある利南発電所と合わせて基礎調査を北電技術コンサルタント(富山県富山市)が行った。実施設計委託は議決後早期とされ、最短で10月となることが見込まれる。委託方法については検討を行っている段階。

水力発電所の設備更新は、中之条町内にある四万発電所で20年度の工事着手を予定。24年度まで続くことから、白沢発電所の工事着手は四万発電所の工事状況を踏まえて時期を判断する。

なお、白沢発電所とともに基礎調査を行った利南発電所の設備更新は、当面の間見送る考え。

災害対策本部実施室は県庁7階の南側全面、審議会室と正庁の間がある箇所へ整備する。基本・実施設計は議決後早期の委託を予定。委託方法について検討を行っている段階。21年秋の運用開始を見込んでおり、早期の工事発注に向けて準備を進める。

公共事業費は、国庫事業の内定に伴い67億2613万8000円を増額、防災・減災対策が中心となっている。内訳は補助公共事業が◇道路防災=44億7983万円◇水害対策=7億4313万1000円◇土砂災害対策=6000万円-の追加。その他の事業で540万4000円を減額する。社会資本整備総合交付金は◇道路防災=7億4601万9000円◇水害対策=1億227万4000円◇土砂災害=8億8848万8000円-。その他事業を合算して2億8820万円を減額している。

このほか、施設や設備に対する補助として、地域医療介護確保対策で看取りに対応できる環境整備への補助として3150万円。原木出荷の販路拡大のため、県外に出荷する運送費のかかり増し経費補助へ500万円。家畜伝染病予防として防鳥ネットや消毒設備の整備補助5000万円を充てる。

一般会計の補正額は412億8707万1000円で総額8546億5655万1000円となる。補正額は、9月補正としては1995年に次ぐ規模となる。

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