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栃木県環境森林部

県環境森林部、施設強靭化、新処分場も検討、次期廃棄物処理計画骨子案

2020/09/16 日本工業経済新聞(栃木版)

 県環境森林部は15日、次期廃棄物処理計画の骨子案を環境審議会廃棄物部会(部会長・鈴木昇宇都宮大学名誉教授)に示した。骨子案には廃棄物処理施設の強靭化、産業廃棄物最終処分場の確保などの施策が掲げられ、最終処分場の公共関与による新たな施設整備の検討が盛り込まれた。

 次期計画は10年後の将来像として「ライフサイクル全体で資源循環の取り組みが拡大」「気候変動対策を意識した廃棄物の処理体制が確立」「廃棄物・リサイクル産業が成長し、地域で新たに雇用創出、企業立地等が実現」などを設定。①資源循環の推進②適正処理の推進③資源循環推進体制の確保④廃棄物・リサイクル産業の振興-の4テーマに具体的な施策を位置付ける。

 廃棄物処理施設の強靭化では民間処理施設の耐震化、耐水化、燃料等の備蓄、始動用電源確保などの方策を検討し、市町等に対しても先進事例を紹介。また、民間処理施設の活用可能性を検討するなど災害廃棄物処理体制を整備する。

 産業廃棄物最終処分場は、県内の安定型最終処分場の残余容量の減少などを踏まえて必要な容量を確保。管理型最終処分場については県営処分場「エコグリーンとちぎ」の整備を進めるとともに民間の施設整備状況を踏まえ、公共関与の施設整備を検討。

 また、周辺施設への熱供給や電力供給を念頭に焼却施設の熱回収を促進。処理業者が焼却施設の設置や改修を行う場合は熱回収設備の導入や高度化を促す。下水汚泥に関してはバイオガス発電を継続し、有効利用の可能性をさらに検討する。

 資源循環としての適正処理では、市町などの施設で処理が困難な廃棄物や、老朽化に伴い大量発生が想定される石綿を含む建設系廃棄物、処理期限が迫るPCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の確実な処理が重要と指摘。

 市町と民間事業者が連携した処理体制の構築、石綿含有廃棄物等処理マニュアルの周知、PCB早期処理に向けた継続的な処分指導、「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」を踏まえた適正処理指導を行う。

 産業振興策では、リサイクル施設の立地規制緩和による立地促進策を検討。「とちの環エコ製品」の認定増加などを進める。

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