記事

事業者
栃木県佐野市

佐野市、学校跡地活用方針 対象12校を3分類、民間開放は公募で選定

2020/09/19 日本工業経済新聞(栃木版)

 佐野市は、あそ野学園義務教育学校と葛生義務教育学校の開校に伴う学校跡地の個別活用方針をまとめた。対象12校(小学校11、中学校1)の跡地活用区分を①公共施設②小さな拠点づくり③民間施設-の3つに分類。公共施設は戸奈良小、常盤小の2校。小さな拠点づくりは三好小、常盤中の2校。民間施設は野上小、山形小、閑馬小、下彦間小、飛駒小、葛生小、葛生南小、氷室小の8校を選定。民間利用は公募型プロポーザルにより、事業者を決定する。

 田沼中校地に整備した、あそ野学園義務教育学校は今春に開校。葛生中施設を改修する葛生義務教育学校整備事業は今秋に着工し、2023年度の開校を目指す。両校とも施設一体型の小中一貫校。統合再編により各学校区に立地する小中学校は同時閉校となる。

 公共施設に活用する戸奈良小はあそ野学園義務教育校、常盤小は葛生義務教育校の機能を補完する。活用例は校舎が教材備品や体育用具の倉庫、体育館やグラウンドは部活動や地域住民のイベントへの開放を想定。地域開放の可否は市教育委員会が判断する。

 小さな拠点づくりは中山間地域の生活サービスの維持に有効活用。市街地と各集落を結ぶ中間地点に位置する2校にハブ的機能を持たせる。活用例は官民連携による複合施設、地域交流拠点施設、拠点形成に伴う民間施設(生活支援施設)を想定した。

 複数の集落を結ぶ生活圏に地域住民が行政、事業者、各種団体と役割分担しながら生活支援機能を確保。地域資源を活用し、仕事や収入を確保する場となる。三好小は田沼市街地~三好~野上の両地区拠点、常盤中は葛生市街地~常盤~氷室の両地区拠点とする。

 三好小は敷地面積1万6660平方m。西側は県道作原田沼線に接する。校舎はRC造3階建て、体育館はS造2階建て。常盤中は敷地面積1万7753平方m、北側が市道に接する。南校舎、北校舎ともRC造3階建て、体育館、柔道場ともS造平屋建て。

 民間施設は公共施設と小さな拠点づくりの活用から外れた小学校が対象。跡地は売却または貸し付ける。事業者の持つノウハウや発想を生かし、地域資源の潜在能力を生かした活性化に期待。学校跡地の維持管理経費の削減と同時に市税収入増を見込んでいる。

 活用例は工場、倉庫、事務所、商業施設、建物や敷地一部の地域コミュニティ活動への利用。事業者募集は市が公募型プロポーザルを公告し、提案内容の確実性、継続性、公益性、地域貢献度を総合的に審査の上で最もふさわしい事業者を特定する。

 跡地活用着手までには一定期間を要するため、新たな行政需要が生じた際の利活用を検討。対象12校のうち8校は指定避難場所(4校は選挙投票所を兼ねる)であり、原則は機能を維持。民間の跡地活用が見込めない場合、解体撤去の上で別用途に利用する。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら