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茨城県かすみがうら市

神立駅周辺に都市機能/都市計画マスタープラン改定案

2020/09/26 日本工業経済新聞(茨城版)

 かすみがうら市は、都市計画マスタープランの改定案をまとめた。土地利用の方針では都市的土地利用としてJR神立駅周辺の都市機能を誘導し、駅周辺の整備を図る。広域道路は霞ヶ浦二橋構想の具体化、国道6号千代田石岡バイパスの整備、千代田PAへのスマートIC設置を促進する。都市防災では道路や橋梁の長寿命化、雨水排水施設の計画的な整備を進める。都市環境では上下水道の長寿命化・広域化・共同化を推進。公共・公営施設の整備では消防庁舎の建て替えや立地場所の検討を進める。


 地域別のまちづくりでは、市内を①市街地地区(神立駅周辺)②千代田地区③霞ヶ浦地区―に分類。

 市街地地区では、神立駅周辺に若者や子育て世代の定住に向けた都市機能の誘導、行政や学習、図書館などの機能を持つ複合拠点施設の整備を推進する。駅東口では土浦市と連携しながら歩行者専用道路の整備を図る。

 また神立停車場線について、沿道の計画的な土地利用と魅力ある空間づくり、自転車ナビマークや街路灯の整備を推進する。

 千代田地区は、千代田庁舎周辺を中心に市街化調整区域で形成されている。そのため機能的で安全・安心な地域づくりを進め、地域拠点を形成する。

 千代田石岡IC周辺や国道6号沿道は、企業立地可能性調査の検討などで新産業の導入を促進。幹線道路については千代田PAへのスマートIC設置、国道6号千代田石岡バイパスの整備を促進する。

 都市環境については、道路や公園、生活排水の整備を推進。下水道未整備地域の整備にも努める。また筑波山ろくの自然を生かした雪入ふれあいの里公園などの適正な管理に努め、雪入川の水辺環境などを活かした自然体験型レクリエーション拠点を形成する。

 霞ヶ浦地区は、霞ヶ浦庁舎周辺を中心に市街化区域(加茂工業団地)と市街地化調整区域、都市計画区域外で構成される。そのため同庁舎などを中心施設として地域拠点を形成し、適正な土地利用を展開する。

 交通体系については、周辺市町村と連携した霞ヶ浦二橋構想の具体化、国道354号や県道牛渡馬場山土浦線などの整備を促進する。つくば霞ヶ浦りんりんロードからのサイクリングロードや休憩所の整備も促す。

 都市環境については、霞ヶ浦の水環境の保全と親水空間の整備、下水道などの生活基盤の整備に努める。公園・緑地については、歩崎公園の整備を推進。歩崎観光振興アクションプランと連動した桟橋の整備、宿泊機能の強化、水族館内装の整備などに重点的に取り組む。

 都市計画マスタープランは概ね20年後の市の将来像を明確化し、まちづくりの基本的な方針や地区ごとの整備方針を示すもの。市では09年3月に策定したが、神立駅の土地区画整理事業の進展や圏央道などの開通によって市の都市計画を取り巻く環境が変化していることや、人口減少、安心・安全で快適な生活環境の確保と持続可能な都市運営が課題となっているため、同プランを改定する。

 都市づくりの役割として「地域特性を活かした持続可能な都市を実現する」を掲げる。そのために①まちなかのにぎわいと〝活気〟の実現②ゆとりある自然との〝共生〟の実現③市民とのふれあいによる〝協働〟の実現―を目指す。

 都市計画マスタープラン案はパブリックコメントを9月30日まで実施。寄せられた意見などを参考に計画をまとめる。

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