水戸市は南消防署の移転改築建築工事を近く公告し、12月議会での契約締結承認を目指す。電気設備工事、空調工事、給排水工事の発注時期は調整中。事業費については、2022年度までの3カ年継続費を2億円増額し総額16億2000万円とする補正予算が29日に議決された。
増額は、本年度当初予算における事業費を概算設計により計上していたことから、実施設計の完了に伴う補正。差異が生じた主な要因は、地質調査結果による基礎工事・山留工事の見直しと、仮設工事の見直し。
工事の見直し内容としては、アースアンカー工事を新たに追加。当初予算算定時に想定していた親杭横矢板と切梁から、親杭横矢板とアースアンカーに変更した。
仮設工事においては敷地の形状により、ラフタークレーンにタワークレーンを追加している。
山留工事では親杭横矢板(L約179m)の面積約1080㎡を約1330㎡へ変更した。
土工事では掘削土量9400立方mを想定していたが、1万1000立方mに見直した。
基礎(擁壁)工事では、場所打ち逆L型擁壁を一般的なものから地震力等を考慮した擁壁へと見直し、深さ、寸法、鉄筋量の増を見込む。
杭工事は既成コンクリート杭をφ1200、L11mを15本、φ900、L11mを6本とする。
南消防署の移転先は元吉田町532―1ほか。白梅保育所(元吉田町3250―1)の市道駅南59号線を挟んだ向かい側に位置する。敷地3365・03㎡。
新施設は庁舎(RC造3階建て・免震構造、延べ1947㎡)と、機材庫などを備える別棟(RC造平屋、80㎡)。
庁舎内は、1階にエントランスホール、車庫、救急消毒室、出動準備室、防火衣洗濯乾燥室などを整備する。
2階には多目的会議室、トレーニングルーム、小会議室、署長室、書庫、事務スペース、指令スペース、展示スペースなど。
3階に男子更衣室(56人)、男子睡眠室(17人)、救急隊睡眠室(3人)、食堂、女性用スペースなどを配置。
庁舎の出入口側には外来者用の階段とエレベーター各1基、建物内部に出動用の階段1基を付ける。
トイレは各階に男・女用を設置し、2階には多目的用も整備する。
そのほか自家発電設備、雨水貯留槽、災害時汚水槽などを備え、屋上には受水槽式給水、倉庫、空調室外機などを置く。
駐車場は来庁者用に4台程度(障害者用1台)を整備し、出入口を市道駅南214号線沿いに設ける。緊急車両の出入口は市道駅南59号線に設置する。
基本・実施設計は㈱桜設計事務所(水戸市)。
現在の南消防署(城南1―7―4)はRC造4階建て、延べ824㎡。敷地519・22㎡。築後約40年が経過し老朽化が進んでいることや、女性職員用の設備など必要な諸室を確保するスペースがないことから、移転改築を行う。
9月補正により継続費の21・22年度年割額にそれぞれ1億円を追加。20年度2億8000万円、21年度6億5700万円、22年度6億8300万円とした。
【図=南消防署の配置図】