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今後の事業展開提示/河川改修/常陸河川国道

2020/10/06 日本工業経済新聞(茨城版)

 国土交通省常陸河川国道事務所は公共事業等の受注者向け情報として、河川事業の中長期的な発注計画の公表を開始した。全体事業規模や当年度の事業概要、今後の事業展開(5年先までの事業費の目安)などを示した。そのうち那珂川河川改修事業(築堤や護岸など)は、2020年度は24億4400万円で河道掘削(枝川・水府町地区など)や法尻補強(飯富町地区など)を実施。今後の事業展開は、必要となる事業費として21年度と22年度は毎年度約15億円、23年度から25年度までは毎年度約45億円としている。


 中長期的な発注見通しは、四半期ごとの発注見通しに加えて、地方自治体に事業計画を知らせる「事業計画通知」に記載した事業の情報として併せて公表した。

 公表場所は、日本建設情報総合センターが運営する入札情報サービス(PPI)のトップページの左上。中長期発注見通しを検索できる機能を追加した。

 PPIにおける工事単位の発注見通しに加えて、事業計画通知に記載している全体事業規模、全体事業費、当年度の事業費、事業進捗率、当年度の事業概要などを公表。備考には最大5年先までの事業費の目安を示すことで、今後の見通しを立てやすくする。

 当初予算や補正予算成立後、直轄事業の事業計画が変わった時点で情報を更新する。

 本年1月に改正した品確法運用指針では、地域における公共工事等の実施時期を平準化し、計画的な発注を適切に実施するための取り組みとして、中長期的な公共工事等の発注見通しの作成と公表を行うことを発注者の責務として明記している。

 直轄事業のうち河川事業の整備内容は、20~30年後までに順次完成することが目途。事業展開については原則、事業が一定程度進捗し、当面の段階的な整備による完成予定(部分完成予定を含む)としている事業を記載した。

 全体事業費や事業展開は、事業工程の進捗などによって変更することがある。


 常陸河川国道事務所の河川事業の中長期発注計画の内容は次のとおり。

 【那珂川河川改修事業】

 全体事業規模は直轄管理区間(L100㎞)の築堤や護岸ほか。全体事業費は1194億円。

 20年度の事業費は24億4400万円。事業箇所は次のとおり。

 ・大野地区=樋管(N1基)、補償(1式)

 ・枝川地区、水府町地区=河道掘削(V2万1000立方m)、20年度完了予定

 ・渡里町地区=河道掘削(V2万5000立方m)、20年度完了予定

 ・飯富町地区=法尻補強(L1530m)、20年度完了予定

 ・根本町地区=法尻補強(L1420m)、20年度完了予定

 ・小場地区=法尻補強(L460m)、20年度完了予定

 ・飯富町地区=法尻補強(L2130m)、20年度完了予定

 ・岩根町地区=法尻補強(L840m)、20年度完了予定

 ・浸水防止対策検討(1式)

 事業展開は次のとおり(他都県分を含む)。

 ・21年度=約15億円

 ・22年度=約15億円

 ・23年度=約45億円

 ・24年度=約45億円

 ・25年度=約45億円

 【久慈川河川改修事業】

 全体事業規模は直轄管理区間(L48㎞)の築堤や護岸ほか。全体事業費は107億円。

 20年度の事業費は26億7300万円。事業箇所は次のとおり。

 ・小島町地区=基盤整備(1式)、法尻補強(L120m)、20年度完了予定

 ・亀下、竹瓦地区=河道掘削(V9万2000立方m)、20年度完了予定

 ・下河合町地区=法尻補強(L1180m)、河道掘削=(V6万6000立方m)、20年度完了予定

 ・田渡町地区=法尻補強(L990m)、20年度完了予定

 ・里野宮町地区=法尻補強(L940m)、20年度完了予定

 ・松栄町地区=法尻補強(L440m)、20年度完了予定

 ・芦間町地区=法尻補強(L500m)、20年度完了予定

 事業展開は次のとおり(他都県分を含む)。

 ・21年度=約13億円

 ・22年度=約13億円

 ・23年度=約11億円

 ・24年度=約11億円

 ・25年度=約11億円

 【那珂川水系(総合水系環境整備事業)】

 全体事業規模は直轄管理区間の水辺整備。全体事業費は23億円。

 20年度の事業費は1400万円。那珂市戸多地区でモニタリング(1式)を実施する。22年度完成予定。

 事業展開は21年度が約1億円未満、22年度が約1億円未満。

 【久慈川水系(総合水系環境整備事業)】

 全体事業規模は直轄管理区間の水辺整備。全体事業費は7・1億円。

 20年度の事業費は400万円。東海地区のモニタリング(1式)を推進する。20年度完成予定。

 【那珂川河川等災害復旧(河川、元年災)】

 全体事業規模は堤防復旧(L812m)、低水護岸(L598m)、機械設備(N2カ所)、観測設備(N1カ所)、電気通信設備(N1カ所)。全体事業費は36・7億円。

 20年度の事業費は3億751万9000円。事業箇所は次のとおり。

 ・水戸市吉沼町地区=低水護岸(L174m)、20年度完成予定

 ・ひたちなか市枝川地区=除塵機設備(N1カ所)、20年度完成予定

 ・常陸大宮市野口地区=低水護岸(L132m)、20年度完成予定

 【久慈川河川等災害復旧(河川、元年災)】

 全体事業規模は堤防復旧(L752m)、低水護岸(L260m)、機械設備(N1カ所)。全体事業費は16・6億円。

 20年度の事業費は2億2802万4000円。事業箇所は次のとおり。

 ・那珂市本米崎地区=堤防復旧(L103m)、20年度完成予定

 ・常陸大宮市下岩瀬地区=低水護岸(L80m)、20年度完成予定

 ・常陸大宮市岩崎地区=低水護岸(L180m)、20年度完成予定

 ・常陸大宮市下町地区=堤防復旧(L40m)、20年度完成予定

 ・常陸大宮市塩原地区=堤防復旧(L64m)、20年度完成予定

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