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栃木県足利市

足利市、産業団地開発を本格化、あがた駅北 特別会計に移行

2020/11/13 日本工業経済新聞(栃木版)

 足利市は来年4月から、あがた駅北産業団地開発事業特別会計を創設する。東武伊勢崎線県駅北側の農地約20ha(県町、下渋垂町、百頭町)を全面買収方式で取得し、市直営で産業団地を開発分譲する。事業の本格化を見据え、市議会12月定例会へ特別会計条例改正案を提出する見通し。

 2020年度は基本設計を栃木都市計画センター(宇都宮市)に委託したほか、年度末に用途地域変更、地区計画決定、区域区分変更の都市計画決定告示の予定。21年度は用地取得、詳細設計を委託。22年度に造成工事に着手し、26年度の完成を目指す。

 計画地は県企業局が造成した「あがた駅南産業団地」(開発面積約18・4ha、分譲面積約12・3ha)の北側。駅南は造成工事中の予約分譲段階から企業の引き合いが相次ぎ、全10区画は早々と完売。企業の進出意欲は高く、市独自で新規団地開発を手掛ける。

 市内13の産業団地は全区画が完売。駅南と一体となった駅北の用地拡張にシフトし、可能な限り早期に企業の受け皿を確保する。全面買収方式を採用するのは事業期間の短縮や手続きの煩雑さを省ける面で優位。地権者約70人は事業に前向きな姿勢を示す。

 19年度は地区界測量を晃洋設計測量(足利市)に委託。20年度は基本設計をはじめ、地質調査を中央土木工学研究所(宇都宮市)、物件調査を栃木県用地補償コンサルタント(栃木市)、土地評価を池末不動産鑑定事務所(宇都宮市)に委託済み。

 市決定の用途地域の変更は駅舎を包含する約21haを工業地域に指定。容積率は200%、建ぺい率を60%に制限。地区計画は駅舎を除く約19・5haで住宅、大型商業施設、産廃施設の立地を制限し産業団地3方向に幅15mの緩衝帯を配置する。

 足利佐野都市計画区域マスタープランに基づき県が区域区分を見直す定期線引き変更では、一帯の約21haの市街化調整区域を市街化区域へ編入。いずれも年末に2週間の都市計画案縦覧期間があり、意見書の提出を求める。年度末には都市計画決定の運び。

 東側を主要地方道足利邑楽行田線が南北方向に縦断し、東西方向に横断する国道50号と交差。南側は東武線が東西方向に運行し、あがた駅南産業団地の一部が八坂第2工業団地に接している。北側は市道上渋垂愛宕台中学校通りが東西方向に走る。

 特別会計の歳入は一般会計からの繰入金と分譲収入、歳出は用地買収費と基盤整備工事費で構成する。予約分譲、本分譲は造成工事の進捗状況や社会経済情勢に応じて開始。区画割りは、立地企業のニーズに柔軟に対応できるオーダーメード型を想定している。

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