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栃木市聖地公園、樹木葬墓地や納骨堂を新設、来年度に実施設計、22年度着工へ

2020/11/17 日本工業経済新聞(栃木版)

 栃木市は、市聖地公園再整備基本計画策定(皆川城内町450-1)に着手した。市営墓園に未整備だった樹木合葬式墓地や合同納骨堂の新設に向け、整備手法を検討している。2021年度は実施設計を委託。22年度に着工し、単年度で完成させる。財源は墓園管理基金1億円を活用する。

 市は6カ所の墓園に3458区画の墓所を有す。区画数が慢性的に不足し、返還区画発生の際に順番待ちで供給する循環利用でしのいでいる。返還数は極めて少なく、市民の墓地需要には遠く及ばないのが実情。新たな墓域造成が喫緊の課題となっている。

 近年は少子高齢化と晩婚や未婚化が進展し、定期的な供養や墓参に時間を割けない市民が増加。墓地に対する市民の意識が変化し、樹木合葬式墓地や合同納骨堂に関する問い合わせが目立つ。既存の市営墓園は従来型区画墓地だけに、市民ニーズに合致していない。

 様々な縛りがある寺院墓地に比べ、宗派を問わない市営墓園へ遺骨埋葬を希望する市民が絶えない。財政負担や整備期間を考慮し、墓地増設時には既存墓園敷地の活用を最優先する。樹木合葬式墓地や合同納骨堂整備は一定の敷地で済み、拡張可能と判断した。

 今年度は基本計画策定をオリエンタル技術開発(栃木市)に委託。樹木合葬式墓地と合同納骨堂には様々な形態があり、聖地公園にふさわしい施設整備の在り方を探っている。区画供給数や維持管理が容易な整備手法を導き、来年度の実施設計に反映する。

 樹木葬は墓園に遺骨を埋葬し、遺骨周辺の樹木を墓標に故人を弔う。遺骨埋葬時に苗木を植えるケースやシンボル樹木の周辺区画に遺骨を埋葬するケースに大別される。合同納骨堂は骨壺に入れた遺骨を安置する建物。ロッカー式、棚式、仏壇式が一般的。

 市聖地公園は1979年、市中心部北西の1級河川永野川右岸の皆川城杜に隣接する丘陵地帯に開設。墓園整備計画に基づき8期にわたり段階的に拡張工事を進め、2010年に区切りを付けた。1区画当たりの面積は5平方m。総区画数は2282区画。

 総敷地面積11ha、墓域面積3・3ha。眺望が良く緑地が広い。トイレや休憩施設を備え、バリアフリー化されている。管理事務所があり、管理が行き届いている。市内在住または市内に土地家屋を所有し、3親等以内の親族のいる市外在住者が申し込める。

 市が所有する他の5カ所の墓園は都賀聖地公園墓地(793区画)、藤岡中根墓地(270区画)、藤岡太田墓地(78区画)、西方東上林墓地(25区画)、西方菅ノ沢墓地(10区画)。墓所数は計1176区画。定期的に植栽管理、区画案内表示、給水設備を整備している。

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