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いばらき自民党が重要政策大綱/保健所の早急改築を

2020/12/16 日本工業経済新聞(茨城版)

 いばらき自民党は15日、2021年度の重要政策大綱を県へ提出した。最重要政策として新型コロナウイルス感染症対策に加え、「安全・安心をつくる」ため新規に老朽化が著しい保健所の早急な改築を提示。県立中央病院(笠間市)の全面建て替え、障害者支援施設「あすなろの里」(水戸市)の早期再整備も求めている。国土強靱化の推進では、昨年の台風被害を受けた公共土木施設の迅速な復旧・復興、地方の社会資本整備財源の十分な確保の働き掛けを要請。「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の終了後も別枠予算での延長・拡大を働き掛けることも求めた。インフラ整備では(仮)茨城縦貫幹線道路、常陸那珂港区から大子町方面へ向かう高規格道路の整備を盛り込んだ。


 最重要政策項目のうち「安全・安心をつくる」では、新規に保健所の機能強化を提示。老朽化が著しい庁舎の改築を早急に進め、適切な規模の相談・執務スペースなどの確保、バリフリー化を図ることを求めている。また保健所の再編時には立地場所を考慮することも要請。

 県では保健所の機能強化として12月補正予算に、最も古い筑西保健所(筑西市甲114)を筑西合同庁舎(筑西市二木成615)に移転するための庁舎改修費を計上。合同庁舎の1階入口近くの展示スペースや他の階の空きスペースを執務室や相談室に改修する。予算額は約9300万円。そのほか駐車場増設(40台程度)に約2700万円、その設計委託料に約500万円を計上している。

 また老朽化している潮来保健所、竜ケ崎保健所、土浦保健所、つくば保健所、古河保健所について、再整備に向けた基本計画策定に着手する。

 県立中央病院については、建設から30年以上が経過して老朽化などが進んでおり、災害拠点病院として大規模災害に備え、早急に免震構造にしなければならないことを踏まえ、無駄な二重投資を避け、大局的な全体構想のもとに全面建て替えをすることを提案した。

 老朽化などが課題である県立あすなろの郷については、役割や機能などを検討し、再整備を早期に進めることを提示した。

 あすなろの郷の再編整備関連事業では、本年度に予定していた民間事業者の公募、民間施設用地の造成設計、県立施設の設計などを一旦停止し、入所者の保護者の理解促進を図っている。

 県北地域の格差是正対策では、石岡市から笠間市までの道祖神峠のトンネル化を実現し、県総合計画に構想路線として位置付けられた大子町方面へ向かう(仮)茨城縦貫幹線道路の整備、常陸那珂港区から大子町方面へ向かう高規格道路の整備を進めることを求めている。

 国土強靱化の推進では、国の交付金などを活用し、防災・減災対策として道路の法面・盛土対策や冠水対策、河川の流木対策、海岸堤防の高潮対策などのインフラ整備を積極的に推進することを要請。

 また橋梁やトンネルなどの公共土木施設の老朽化対策として、長寿命化を進めるとともに、危険施設の積極的な更新、特に橋梁の耐震化の推進を要請している。

 さらに強靱化のための3か年緊急対策の終了後も、対策を引き続き推進するため、別枠予算での延長および拡充を働き掛けることも提示。県内の全市町村が国土強靱化地域計画を早期策定することへの支援強化も新規に盛り込んだ。

 また災害復旧時の拠点となる土木事務所などの機能強化、土木系技術職員の大幅増員のための予算措置を要望している。

 大規模災害対策としては、台風被害を受けた河川の早期復旧、本川・支川を含めた抜本的な河川改修を要請。昨年の台風で被災した水道施設の復旧支援に取り組むことも新規に示した。

 産業の育成のうち建設業関係では、厳しい経営環境に直面している建設業のイメージアップを図るとともに、県発注工事での「ゼロ県債」や繰越制度の活用、余裕期間制度の活用、適正な工期設定による施工時期の平準化を図ることを要請。経営革新や地域貢献に取り組む業者に対する支援の充実、県内業者育成のための地元業者への優先発注を行うことも求めている。

 さらに清掃や植栽管理、消防設備保守点検などの庁舎等維持管理業務について、品質確保と適正な雇用を守る観点から最低制限価格の適用案件の拡大を図ることを要請。

 また公共施設周りの植栽管理や除草・芝刈りなどの業務委託(役務)契約で、適正な設計価格の設定に努めるとともに、公正で健全な競争環境の確保を検討することを要望した。

 本県の発展を支えるインフラ整備については、圏央道4車線化の早期完成の働きかけ、ICアクセス道路の整備推進、東関東自動車道水戸線の県内区間の整備促進と鹿嶋・神栖方面への延伸に取り組むことを盛り込んでいる。


【写真=大井川知事(右から6人目)に重要政策大綱を提出】

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