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山武合庁に29億円債務/一般会計9.4%増の約2兆円/道路ネットワークで467億円/県予算

2021/01/18 日刊建設タイムズ

 県は15日、2021年度当初予算案の概要を明らかにした。一般会計は、前年度比9・4%増の1兆9898億1700万円。千葉リハビリテーションセンター再整備事業に5億9500万円の債務負担行為を設定し、実施設計をまとめる。一宮川流域浸水対策特別緊急事業には11億4000万円を盛り込むほか、3000万円の債務負担行為を設定。合同庁舎の再整備では、夷隅合同庁舎実施設計などに6500万円、山武合同庁舎新築工事・工事監理委託には29億3600万円の債務負担行為を設定。道路ネットワーク事業に467億3575万2000円を投じるとともに、167億300万円の債務負担行為を設定し、北千葉道路や銚子連絡道路の整備を進める。

 3月に知事選挙を控えていることから、骨格予算として編成。基盤整備のうち新規着手分の事業費などについては、肉付け予算として6月補正で措置する方針。

 一般会計の投資的経費は、前年度比26・2%減の1282億8500万円。うち、普通建設事業費は前年度比31・9%減の1080億3400万円。内訳は、補助事業579億6300万円、単独事業500億7100万円。

 千葉リハビリテーションセンターは開設から39年が経過し、施設・設備が老朽化しているほか、居宅や訓練室などのスペースが不足しているため建て替える。基本設計は山下設計が12月9日納期で担当している。事業内容は、基本設計業務委託2億2010万円、実施設計等業務委託5億9500万円(債務負担行為)、基本運営計画策定業務委託2530万円、土壌汚染概況調査費など3003万8000円。

 一宮川流域浸水対策特別緊急事業に11億4000万円を盛り込むほか、3000万円の債務負担行為を設定。内容は一宮川第二調節池の増設・堤防かさ上げ6億3100万円、一宮川下流域における河道掘削1億1000万円、茂原市街地における局所的な改修1億4300万円、一宮川上流域・支川の対策検討2億5600万円。19年度の災害により甚大な被害が発生した一宮川について、一宮川流域茂原市街地安心プランに基づき一宮川第二調節池の増設などを進めるとともに、一宮川上流域や支川における検討を進め、29年度までに対策を実施する。

 夷隅合同庁舎再整備事業に6500万円を措置する。内訳は、実施設計5864万円、敷地測量など636万円。老朽化が著しく耐震性が低いことから再整備を行うもので、地域の防災活動拠点として必要な機能を確保できる近隣の土地に移転した上で建て替える。整備期間は24年度まで。

 山武合同庁舎再整備事業では、旧庁舎解体工事1億9734万円、仮設庁舎賃貸借3361万8000円、家屋事後調査など704万2000円を計上。加えて、29億3600万円の債務負担行為を設定し、新築工事・工事監理委託に充てる。工期は21~23年度。施設の老朽化および耐震性不足に対応するため、周辺の東金合同庁舎などと集約の上、再整備を行うもの。東金合同庁舎敷地内に仮設庁舎を建て、山武合同庁舎から一時的に移転。その間に現庁舎の解体と新庁舎の建設を進める。

 警察署庁舎整備事業として、館山警察署建設工事16億6237万7000円、旭警察署建設工事2億3558万6000円、富津警察署実施設計1億3066万8000円を確保。老朽化および狭あい化が著しい施設の建て替えを実施する。

 市原高等技術専門校の長寿命化を図るため、管理棟大規模改修工事4億64万円、管理棟仮設校舎リース3363万1000円、管理棟引っ越し業務委託など595万円を計上するとともに、総合実習棟建築工事に17億円の債務負担行為を設定する。

 農業大学校大規模改修事業に3億5244万5000円を計上。老朽化が著しいことから、県有建物長寿命化計画に基づき大規模改修を行う。本館大規模改修工事など2億6962万4000円、出荷調製施設施設建設に向けた埋蔵文化財調査4168万円を措置する。

 家畜保健衛生所機能向上事業で、老朽化している東部家畜保健衛生所、北部家畜保健衛生所、中央家畜保健衛生所佐倉支所を匝瑳市今泉に移転集約化するため、実施設計などに1億1879万8000円を計上。24年度の供用開始を予定。

 港湾建設事業として27億9558万円を盛り込むとともに、4億4900万円の債務負担行為を設定。主な事業は拠点漁港整備13億550万円(債務負担行為3億5900万円)、漁港漁村基盤整備1億円、水産基盤ストックマネジメント8億5400万円(債務負担行為9000万円)、公共漁港災害復旧1億円、拠点漁港機能強化1億159万円。

 水産総合研究センター再編整備事業を1億4757万1000円で進める。老朽化が進んでいる水産総合研究センター東京湾漁業研究所について、県有建物長寿命化計画に基づき大規模改修の実施設計などを行うとともに、種苗生産施設の再編整備に向けた基本設計などをまとめる。東京湾漁業研究所は24年度供用開始の予定。事業費の内訳は、東京湾漁業研究所実施設計など7486万6000円、種苗生産施設基本設計など7270万5000円。

 道路ネットワーク事業のうち、主な単独事業は北千葉道路整備・印西市~成田市16億5500万円、北千葉道路整備・市川市~白井市2600万円、国道126号山武東総道路二期(銚子連絡道路)15億1000万円、国道409号茂原一宮道路(長生グリーンライン)5億2600万円、国道410号久留里馬久田バイパス12億5960万円、交通安全施設整備37億4020万円、舗装道路修繕46億1100万円、橋梁の安全・安心(架け換え、耐震化、長寿命化)28億1100万円、電線類地中化整備4億1500万円、連続立体交差46億4362万2000円。

 街路整備事業に65億7665万円を盛り込み、28億6000万円の債務負担行為を設定。主な事業は新京成線連続立体交差(鎌ケ谷市)16億3202万8000円、東武野田線連続立体交差(野田市)30億1159万4000円、(都)藤崎茜浜線街路整備(習志野市)6億3700万円。

 港湾事業は33億5665万9000円を盛り込むほか、2億7500万円の債務負担行為を設定。補助事業で木更津港吾妻地区旅客船埠頭整備9700万円、大規模海岸保全施設改良2億5500万円、予防保全2億円、高潮対策1億円、また単独事業として名洗港整備1億5000万円、港湾維持7億581万9000円、港湾海岸整備1億5600万円を推進する。

 都市公園整備事業で10億5929万9000円を確保。補助事業で長生の森公園整備(茂原市)7900万円、県立都市公園長寿命化対策6億350万1000円など、また単独事業では県立都市公園長寿命化対策2億1924万4000円など。

 公営住宅建設事業に19億8754万9000円を充てるほか、14億7800万円の債務負担行為を設定。補助事業に国府台県営住宅建設建設(第1期・第2期)2億6344万2000円、佐津間県営住宅建設(第1期)7490万円、金ケ作県営住宅建設(第2期)6500万円、改善等事業13億6961万円を配分。


 野菊の里施設整備に170億円


 主な特別会計の事業費と主要事業は▽日本コンベンションセンター国際展示事業、52億3806万3000円(債務負担行為3億4400万円)=大規模改修関連1602万円、修繕および小規模な改修・整備など4億6574万6000円▽港湾整備事業、15億6491万1000円(債務負担行為2億6700万円)=上屋改良3億6520万円、埠頭用地造成1億円、港湾施設維持補修4億6157万5000円▽土地区画整理事業、68億4421万9000円=金田西地区宅地造成・道路築造2億500万円、運動公園周辺地区宅地造成・道路築造2億5020万円、柏北部中央地区宅地造成・道路築造2億6541万円、木地区宅地造成・道路築造4億6514万6000円▽上水道事業会計、収益的支出783億578万8000円(債務負担行為147億7900万円)・資本的支出702億3600万5000円(債務負担行為449億4000万円)=鋳鉄管更新工事(小中口径管)234億円(債務負担行為90億円)、ちば野菊の里浄水場(第2期)施設整備120億7546万6000円(債務負担行為49億2700万円)、危機管理対策9億782万9000円(債務負担行為174億900万円)▽工業用水道事業会計、収益的支出130億8432万8000円(債務負担行為24億1300万円)・資本的支出88億7910万9000円(債務負担行為44億7600万円)=施設更新・耐震化48億6469万6000円(債務負担行為41億2700万円)、危機管理対策2億9700万円(債務負担行為3億9500万円)▽病院事業、収益的支出510億6322万5000円・資本的支出64億134万1000円=(仮称)総合救急医療センター施設整備31億3049万3000円▽造成土地管理事業会計、収益的支出123億3327万3000円・資本的支出42億1605万7000円(債務負担行為2億2500万円)=保有資産の管理など8億9008万5000円、幕張新都心拡大地区新駅設置負担金3億5918万4000円、千葉ニュータウン関連経費31億8759万6000円、工業用水道事業への出資30億円▽流域下水道事業会計、収益的支出362億727万2000円(債務負担行為84億2000万円)・資本的支出86億3363万2000円(債務負担行為8億9900万円)=江戸川第一終末処理場の整備20億7780万1000円(債務負担行為1億2000万円)、長寿命化の推進17億6548万5000円(債務負担行為7億1000万円)、地震対策の推進4億2460万円(債務負担行為6900万円)。

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