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埼玉県上尾市

複合施設構想を修正し庁内委員会を経て基本設計へ着手

2021/03/09 埼玉建設新聞

 上尾市は、第5回上平地区複合施設検討委員会を開催し、基本設計へ向けた構想案(修正版)を明らかにした。前回の検討委員会での議論をとりまとめたものとなる。設計の段階でどこまで構想を具体化するか、新たに庁内で委員会を設立し検討を行い、意見を取りまとめた後に委託する。詳細設計は2022年度以降に取り掛かる見通し。

 構想では、施設の目的を「市民が交流し学習する場」と改めた。施設規模は2~3階建てから1~2階建てに変更を加えた。S造もしくはSRC造で、延べ床面積を2000㎡程度としたが、建築面積は定めていない。

 複合する施設の中でも、図書館分館へ重点を置く考えを示した。併合するほかの施設との相乗効果を発揮するために、一般的な分館の機能にとどまらない独自の設計を想定している。

 意見公募の際には、喫茶店の導入を求める市民の声が多く挙がった。しかし建設予定地が市街化調整区域となるため法律上の制限が大きく、「飲食ができる空間を設ける」という表現にとどめている。

 そのほか、災害時に避難場所として転用するべく、給排水設備などの実装を構想に盛り込む方針となる。

 検討委員会は1月に開催された第4回で解散する予定だったが、構想の弱さや施設の必要性を疑問視する声が挙がったため、急きょ構想を見直し第5回を開催した。

 新たな構想で設計へ進む運びとなったが、依然として施設機能の弱さが指摘されるなどの課題は残っている。今後は第5回の内容を踏まえて市長へ答申を行い、承認後に正式な構想を公表する流れとなる。

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