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県企業局予算、鹿沼東工業団地13億、深山発電所継続費15億

2021/03/09 日本工業経済新聞(栃木版)

 県企業局は、2021年度当初予算案を編成した。深山発電所全面改修工事は21~25年度の5カ年間の継続費15億1008万円を設定。鹿沼東工業団地(仮称)は用地取得と工事に13億900万円を計上。鬼怒工水は芳賀第2工業団地配水管布設工事2億2330万円、鬼怒水道・工水は1系排水処理池汚泥掻寄機更新工事に継続費1億4671万6000円、北那須水道は濾過池原水弁更新工事6870万7000円、足尾発電所水圧鉄管等耐震性能詳細照査及び土質調査に5390万円を配分している。

 5事業の資本的支出は用地造成事業会計34億9400万円、電気事業会計26億5300万円、水道事業会計5億9400万円、工業用水道事業会計4億2400万円、施設管理事業会計5億8400万円を振り分けた。

 【用地造成事業】

 事業実施地区に決定した鹿沼東工業団地は13億900万円。用地取得を経て一部着工する。鹿沼市深津の東北自動車道鹿沼IC近接地の24・3haを開発。22年度以降に予約分譲を開始し、総事業費は44億7000万円を見込んでいる。

 開発面積24・3haのうち、分譲面積は17・6ha。区画割りは1街区4・3ha、2街区2・5ha、3街区1・9ha、4街区4・5ha、5街区4・4ha。街路の幅員は6・5m、9・5m、12m。北側に調整池1カ所を配し、東南部に逆L字型に緩衝緑地帯を設ける。

 19年度の基本設計は栃木都市計画センター、20年度の道路設計その1はシー・アイ・エス、調整池設計その1は大日本コンサルタント、整地設計その1は栃木都市計画センター、雨水排水設計その1は安田測量が担当している。

 芳賀第2工業団地は芳賀町高根沢で開発面積23・2ha、分譲面積18・3haの造成工事が3億5600万円(うち町負担金2億7000万円)。自動車産業大手の本田技研工業や関連企業が立地する産業集積地に4区画を造成する。

 他市町の新規産業団地構想には積極的に関与し、市町に代わり産業団地を造成・分譲する。新規地区基礎調査費は5500万円。ここ数年来は年間1カ所の新規地区を手掛けている。企業誘導費は1007万1000円。情報収集やPRに努める。

 【電気事業】

 国の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)適用に向けた深山発電所全面改修(那須塩原市板室)は21~23年度で設計・製作、23~25年度が現地工事。債務負担行為で主要機器撤去工事2億4002万円(22~25年度)を設定した。

 継続費は水力設備実施設計が1936万円(21~22年度、各968万円)。改修工事が15億1008万円(21年度3300万円、22年度9680万円、23年度8億520万円、24年度4億2218万円、25年度1億5200万円)。

 足尾発電所水圧鉄管等耐震補強(日光市足尾町)は21~24年度の4カ年が事業期間。21~22年度で調査・設計、23~24年度が現地工事。21年度予算額の5390万円は耐震性能詳細照査と土質調査に充てる。

 塩谷町風見山田の風見発電所全面改修(18~23年度、総事業費56億円)を着実に推進。発電専用施設は高さ約30mの落差を生かし、最大出力1万200kWの発電能力を有す。21年度予算額は18億8755億6000万円。

 木の俣発電所発電機更新工事(那須塩原市百村)は継続費1億5715万8000円(20年度4714万8000円、21年度1億1001万円)を組んでいる。既存施設撤去工事は債務負担行為1290万3000円(21年度)を設定した。

 川治第1発電所取水口ゲート巻き揚げ装置更新工事(日光市川治温泉川治)は継続費1億4135万円(20年度9515万円、21年度4620万円)。既存施設撤去工事の債務負担行為は1100万円(21年度)。

 【水道・工業用水事業】

 鬼怒水道・工業用水は1系排水処理池汚泥掻寄機更新工事に継続費1億4671万6000円(21年度5868万6000円、22年度8803万円)を設定。既存施設の撤去工事の債務負担行為は495万円(22年度)。

 北那須水道は排泥池汚泥掻寄機更新工事に1億9910万円、無停電電源設備等更新工事9850万円の継続費を組んでいる。更新後の撤去費は21年度の債務負担行為で掻寄機1650万円、無停電電源136万8000円を限度額とする。

 鬼怒工水は芳賀第2工業団地配水管布設工事に2億2330万円、北那須水道は濾過池原水弁更新工事に6870万7000円、鬼怒水道・工水は資材倉庫設置工事に6743万4000円、鬼怒水道は管路更新等調査検討委託に800万円を配分した。

 【施設管理事業】

 県民ゴルフ場「とちまるゴルフクラブ」(高根沢町宝積寺、18ホール、6609ヤード、パー72)、賃貸ビル「県本町合同ビル」(宇都宮市本町、S造一部RC造地上9階地下1階建て延べ8571・45平方m)を管理する。

 県民ゴルフ場は鬼怒川河川敷を活用し、1992年10月に営業を開始。S造2階建てクラブハウス(1階にフロント、ロッカールーム、浴場、2階にレストラン)を備える。経営戦略では21年度に送水設備制御盤更新、21~22年度で浴場等改修を計画した。

 県本町合同ビルは2003年4月から公的団体向けに全フロアの賃貸を開始。08年5月に6~9階、10年3月に1階を売却。区分所有と共用部分を管理する。22年度には築20年が経過し、設備機器が耐用年数を迎える。計画的に対応する。

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