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栃木県足利市

足利市、8次総合計画基本構想素案、東部地区で新拠点開発

2021/03/10 日本工業経済新聞(栃木版)

 足利市は、第8次市総合計画基本構想素案をまとめた。2022年度にスタートし、29年度までの8年間が計画期間。あしかがフラワーパーク駅を中心とする東部地区拠点開発、野州山辺駅や史跡足利学校、鑁阿寺周辺では面的整備により土地の有効利用を促進。若い子育て世代向けに低廉で良質な住宅地の供給に努めていく。

 現行の7次基本構想は21年度で計画期間が満了。1月に市制施行100周年を迎え、8次基本構想は次なる100年の道筋を照らす指針。頻発化や激甚化する自然災害、ポストコロナ時代の社会変化に備え、加速化する少子高齢化と人口減少社会に対応する。

 施策の方向性は①教育・文化②産業・観光③健康・福祉④都市基盤⑤環境・安全⑥都市経営-の6分野。北部の足尾山地に連なる山並み、南部の関東平野に広がる田園、中央市街地の渡良瀬川の清流を生かし、各地域の特色ある発展を図っていく。

 教育・文化は義務教育9年間を通じた中学校区教育を展開し、ICT活用による教育や学校施設の環境を整備。市民ひとり1スポーツの実現に向けたスポーツ施設、芸術・文化の拠点となる新市民会館の整備を進める。史跡足利学校は世界文化遺産登録を目指す。

 産業・観光は新産業団地の造成を通じ、成長産業や次世代産業を誘致。農地の基盤整備を促進し、森林や水田の持つ多面的機能を保全。映像のまち構想では映像産業を集積し、近隣市町と連携したストーリー性を持った着地型観光都市を創造する。

 健康・福祉は医療機関との連携強化や救急医療体制を充実。結婚から妊娠、出産、子育てまでの包括的で切れ目のない子育て環境を提供。高齢者が安心して暮らし続けられるよう地域包括ケアシステムを充足。互いに支え合い、健康で幸せに暮らすまちを実現する。

 都市基盤はフラワーパーク駅中心の新たな拠点を開発。スマートIC設置による広域道路網を強化。中橋は国や県と一体で堤防の嵩上げや架け替えを進める。野州山辺駅、足利学校、鑁阿寺周辺の基盤を整備。道路、河川、公園、上下水道は適切に整備管理する。

 環境・安全は新ごみ処理施設や新斎場は効率的で環境に配慮した施設を建設。省エネルギー化や再生可能エネルギーを普及促進し、脱炭素社会を実現。防犯カメラを設置し、防犯意識を高める。国連が提唱するSDGs理念に沿った持続可能なまちづくりに取り組む。

 都市経営は公共施設を計画的に更新、統廃合、長寿命化し適正に配置。大規模未利用地の公有財産は民間ノウハウを取り入れ、有効活用。若者が活躍できるよう支援するとともに関係人口を創出し、移住定住を促進。広域行政は生活圏が同じ近隣市町と連携する。

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