記事

事業者
国土交通省

【土地基本方針改正】骨子案に用地取得の合理化推進盛る

2021/03/16 本社配信

 昨年3月公布・施行の改正土地基本法等に基づく制度見直しの具体的な方向性を検討している国土交通省は、土地基本方針改正の骨子案をまとめた。有識者審議会での議論や地方自治体からの意見などを受けて盛り込むべき施策を示しており、新規で新型コロナウイルス感染症への対応を図る。公共事業の迅速化に向けて、ニューノーマル(新たな日常)への対応や業務のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化なども踏まえた、用地取得の合理化に関する取り組みをさらに進める。具体的には建物調査の合理化を図り補償額算定に要する期間の短縮や、リモート用地交渉の積極的導入などを検討する。また、円滑な用地取得のための官民連携の手引き作成と自治体への支援も充実させる。

 地籍調査で行う所有者による境界の確認については、現場立ち合いによらず図面等を用いたリモートで確認できる規定の積極的な活用を促進する。

 適正な土地の利用確保を図るための措置では、低未利用地を遊水地、緑地等として整備・管理することに伴う適正利用の推進へ、新規で貯留機能保全区域や浸水被害防止区域の創設などによる流域治水と水防災に対応したまちづくりとの連携を確保する。

 所有者不明土地問題への対応に関する措置では、新たに相続登記の義務化や相続等により取得した土地所有権を国庫に帰属させる制度の創設など、所有者不明土地の円滑利用・発生予防に向けた民事基本法制の見直しを行う。さらに、防災設備や再生可能エネルギー事業関係施設といった地域における新たな土地の利用・管理のニーズを踏まえた地域福祉増進事業も拡充する。

 なお、土地基本方針は政府の所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議において、5月ごろに見直しを行う。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら