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国土交通省,(財)建設業振興基金

【CCUS】21年度目標達成へ取り組み深化し利用促進を

2021/03/17 本社配信

 建設キャリアアップシステム(CCUS)運営協議会第8回総会が16日に開かれ、2021年度の事業計画と収支計画を決めた。21年度は、本年度に「低位推計値」として示した技能者登録30万人、事業者登録3万社(一人親方除く)、就業履歴登録数2000万(タッチ数)の確実な実現を目標に取り組む。事業計画では、システムの安定的な運用を目指しつつ、引き続きコスト削減を図るほか、目標数値の達成に向けた各団体の目標設定と利用促進の取り組みを深化させ、現場利用を推進する。収支計画は低位推計値の実現を前提とし、時期・規模ともに未定ながら次期システム更新費に3・5億円を支出として計上する。

 会長の青木由行・国土交通省不動産・建設経済局長は、本年度の取り組み目標がおおむね達成される見込みになったことに感謝しながら「今後さらに、設定した目標どおりにいくかどうかは全く予断を許さないと思っている」とし、昨年9月の申し合わせに基づいて関係者で取り組みを強化する努力を続けることが大切と強調した。

 21年度事業計画のうち、システムの保守・運用では、データ量の増大と提供機能の増加に伴うコスト増を最小限にとどめるための対応を探るほか、保守・運用経費の範囲内で可能な利便性の改善・向上につながるシステム改修を検討する。

 また、さらなる利用促進に向けて、▽2次以下の下請け事業者の登録促進▽地方圏での事業者・技能者の登録促進▽就業履歴登録を行う現場の拡大、就業履歴を蓄積する技能者の拡大▽小規模現場における活用の推進―を実施。具体的には、地方自治体等へのCCUS活用の働き掛けや二段階登録申請制度の開始、建退共の電子申請に係る事業者手続きの簡素化・円滑化の検討、地方部における集中的な登録促進などを計画している。他にも高校生やその保護者、一般消費者も含めたCCUSの周知といった新たな展開の検討、適切な情報開示、システム更新に関する検討を行う。

 目標実現に向けては、低位推計値の確実な達成が必要不可欠であることから、テーマに応じて必要な関係者が協同して、さらなる利用促進策を検討・提言していくための場を運営協議会の下に設置・提供する。CCUSの登録・利用促進に当たり、運営主体と各団体は目標達成に向けた取り組み状況について四半期ごとの運営委員会を含めて絶えず確認し、必要があれば取り組みの強化や新たな方策を検討する。

 今回、参加者からは各団体、各事業者がそれぞれ達成すべき具体的な数値目標を明確にすることや、地方自治体へのさらなる理解促進と活用義務化の働き掛けが必要とする意見・要望などが出た。


【写真=リモート方式も併用し総会を開催した】

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