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県内5水系で流域治水プロジェクト策定

2021/04/03 新潟建設新聞

 北陸地方整備局は、管内の一級河川で策定した流域治水プロジェクトをまとめ公表した。関係機関延べ213機関が協働して12水系を対象とし、県内では▽荒川水系▽阿賀野川水系▽信濃川水系▽関川水系▽姫川水系―の5水系で策定している。

 流域治水対策プロジェクトは、河川における河道掘削、堤防整備をはじめ流域市町村等が行う雨水貯留機能の確保、雨水排水ポンプ場、田んぼダムなど事業も含めて取りまとめ、おおむね5カ年の短期、10~15カ年の中期、20~30カ年の中長期の対策のロードマップを示している。

 県内のプロジェクトを見ると、荒川水系は1967年の羽越水害と同規模の洪水を安全に流下させ、流域の浸水被害軽減を図る。短期的には岩船駅周辺の浸水軽減のための河道掘削を推進するほか、雨水幹線の整備等の対策を進める。中長期的には堤防強化対策として水衝部対策、浸透対策、河口砂州対策を実施する。

 事業費には河川対策に60億円、砂防対策に約350億円、下水道対策に3億円を試算している。

 阿賀野川水系では、阿賀川が47年9月洪水、阿賀野川は2011年新潟・福島豪雨と同規模程度の洪水に対し、浸水被害の軽減を図る。短期的には堤防整備や河道掘削。中期では狭窄(きょうさく)部・扇頂部での流下能力不足の解消、横断工作物改築や河道掘削を進め、中長期で河川の堤防強化、治山・森林整備、下水道事業を行い流域全体での安全度向上を図る。

 事業費に河川対策で約1275億円、砂防対策では394億円、下水道対策に92億円を投じる。

 信濃川水系は東日本台風、新潟福島豪雨と同規模の洪水に対し、中流域では大河津分水路河口部の流下能力向上や遊水地等、排水ポンプや貯留施設等の整備を進め、下流域では、河道掘削や、もぐり橋の解消、やすらぎ堤の概成を目指す。

 対策事業費には、上流の千曲川を含めて河川対策に6304億円、砂防対策には1131億円、下水道対策に895億円を見込む。

 関川水系では、短期の対策で雨水ポンプ設備および雨水管渠の整備をはじめ、保倉川放水路の整備に向け調査設計を推進するほか、上流域での砂防関係施設、治水対策に取り組む。中長期では、保倉川放水路の整備や各支川での河道掘削、堤防整備、儀明川ダムの建設などを盛り込んでいる。

 事業費では河川対策に899億円、下水道対策に23億円を想定。

 姫川水系は、短期で西中地区の急流河川対策(護岸)を実施するほか、中長期でも引き続き急流河川対策や河道掘削、堤防整備の推進、土砂流出抑制対策を継続。あわせて雨水貯留施設、透水性舗装の検討整備を進める。

 事業費は河川対策に65億円、砂防対策は約236億円を充てる。

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