県農業振興公社は２０２１年度事業計画・予算を決定した。事業費は７億１８２３万円（繰越含む）。畜産担い手育成総合整備事業の「大田原・那須」「那須塩原」「栃木塩那」「那須高原牧場」の各地区で草地造成整備などの土木工事、牛舎、堆肥舎などの建築や設備工事を推進。「那須高原牧場」は今年度から着工する予定。発注する工事は７月から９月に入札する方針。新規の「栃木芳賀（仮称）」で２２年度の事業化を目指し計画を策定する。

　２１年度事業費は大田原・那須が２億１１４万円、那須塩原が３億８７９９万円、栃木塩那が５０１０万円、那須高原牧場が７０００万円、栃木芳賀が９００万円。

　大田原・那須は２０年度繰り越し予算９２６４万円を充て那須町で牛舎１棟、堆肥舎１棟を整備。牛舎は発注済み。Ｓ造平屋建て約６３０平方ｍの堆肥舎を入札する。

　当初予算分は１億８５０万円。那須町で草地造成２ｈａ、飼料畑造成２・６８ｈａ、施設用地造成０・３ｈａを施工する土木工事１件を入札。

　那須町でＳ造平屋建て約６４０平方ｍの牛舎１棟を建設する工事を９月までに発注する。大田原・那須地区の２２年度以降の事業費は１億２８５３万円を見込んでいる。

　那須塩原は当初分２億７０００万円で那須塩原市の飼料畑造成１５・１５ｈａ、飼料畑整備１・６１ｈａ、施設用地造成０・１ｈａを整備する土木工事１件を発注。搾乳・給餌設備なども整備する。繰り越し予算分は牛舎２棟、堆肥舎１棟、飼料貯蔵庫１棟を発注済み。

　那須高原牧場は、大田原市大野放牧場（湯津上）と那須町共同利用模範牧場（大島）の公営２牧場が対象。

　全体で牛舎３棟、草地整備改良１００ｈａ、家畜排泄物処理施設１棟、柵などの鳥獣被害防止施設と隔障物、雑用水施設の整備を計画。

　事業期間２０～２４年度。総事業費は７億２００万円で共同利用模範牧場に５億２８００万円、大野放牧場に１億７４００万円を見込んでいる。

　２１年度は大野放牧場で障壁物（牧柵）７５０ｍの設置工事、那須町模範牧場で草地整備２２ｈａの工事、鳥獣被害防止施設４２００ｍの工事発注を予定。鳥獣被害防止施設はイノシシに対応し、一部電気柵や地中部分を含む設置を検討していく。

　栃木塩那は那須烏山市内で乾燥・発酵ハウス１棟ずつの発注を終えており、今年度に事業を完了させる。

　計画を策定する栃木芳賀は、芳賀管内１市４町の農家１０人以上の参加を想定。他地区と同じ畜産担い手育成総合整備事業で草地の整備や造成改良、牛舎や畜舎、搾乳設備などの整備が実施される見通し。