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矢板市 文化体育複合施設、22年度着工、24年度供用、地方創生拠点整備交付金を活用、公設、近く設計…

2021/04/16 日本工業経済新聞(栃木版)

 矢板市は、とちぎフットボールセンター内(末広町)に建設する文化体育複合施設の整備計画を策定し、整備手法を公設とすることを決めた。内閣府の地方創生拠点整備交付金の採択を受け、財政負担が少なく早期供用が可能となったため。施設は延べ床面積約2900平方mで多機能ホールとアリーナを分けた配置とする計画。概算工事費は約15億円。22年度早期に新築工事に着手し、23年度の完成、24年度初頭のオープンを目指す。今月中に基本・実施設計者を選定する公募型プロポーザルを告示する予定。

 施設はフットボールセンターの南西側に建設。ゾーニング計画は、バスケットボールコート2面分の空間を主に文化活動を担う多機能ホール、スポーツを行うアリーナで1面分ずつに分割。文化とスポーツ活動が干渉せず同時に使用できるフロア構成。

 イメージでは1階の両側に多機能ホール、アリーナを配置。中央のホワイエ(ロビー通路)はホール側に控室・放送室、倉庫、アリーナ側にトイレ、更衣室、屋外トイレを設置し、出入り口付近に階段とエレベーター、管理室を配置。

 2階は吹き抜けとし、アリーナの周囲にはランニングコース、ホワイエ上部にはトレーニング室や矢板公民館の機能を引き継ぐ会議室、研修室の配置を想定。調理室は設けず、防災用備蓄倉庫は別棟で整備する。1階、2階とも今後、設計などを進めるなかで柔軟な利用ができる諸室機能配置を決定していく。

 建物の意匠はシンプルな矩形でニーズや時代の変化に対応できる計画とし、耐震構造計画は構造体Ⅱ類、建築非構造部材A類、建築設備乙類。多機能ホールは収納型の移動観覧席を設置。収容数は400~600席を想定している。

 21年度当初分の地方創生拠点整備交付金の新規採択は全国で9つの地方公共団体が受け、関東では矢板市のみ。

 文化体育複合施設を核に未来技術を活用し、健康とスポーツのレベルアップ、コンパクトシティの形成を図るプロジェクトが認められた。採択額は3796万6000円。22年度以降の計画国費は6億3474万4000円。

 市は今年度当初予算に基本・実施設計などの委託料8060万円を計上。現地測量や地質調査、電波障害調査を実施。施設の運営委託者選定も進める予定。

 施設はデジタル先端技術を施設管理や防災情報、トレーニング指導、映像配信などに活用。スポーツによるまちづくりを促進するなど地域経済の活性化に結び付ける。

 駐車場はフットボールセンター分と合わせて約400台を確保。市は建設予定地とJR矢板駅付近を結ぶ引き込み線跡地の利活用も検討している。

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