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国土交通省利根川ダム統合管理事務所

利根ダム統の21年度事業内容を公表

2021/04/29 群馬建設新聞


国土交通省利根川ダム統合管理事務所(佐々木智之所長)は2021年度の事業概要を明らかにした。堰堤維持費として約24億円を確保しており藤原ダム、相俣ダム、薗原ダム、八ッ場ダムの機能を保持するための修繕などに取り組む。主要事業の藤原・奈良俣再編ダム再生事業は約1・6億円で、藤原ダムの放流施設改良工事を進める。堰堤改良事業費は約4000万円を計上、相俣ダムの放流施設設置へ向けて準備を進める。

同事務所は藤原ダム、相俣ダム、薗原ダムと20年度に加わった八ッ場ダムの維持管理を担当している。また、水資源機構が管理する八木沢ダム、奈良俣ダム、下久保ダム、草木ダムの操作等の調整も担っている。これらダムの維持管理とは別に、21年度の主な事業として◇藤原・奈良俣再編ダム再生事業◇相俣ダム堰堤改良事業◇相俣ダム貯砂ダム土砂掘削工事◇藤原ダムインクライン設備修繕工事-を掲げている。

【藤原・奈良俣再編ダム再生】

みなかみ町にある両ダムで、洪水調整方式を変更する。加えて、奈良俣ダムの洪水調節容量239万立方mと藤原ダムの利水容量239万を振り替える。これらの作業により、治水機能が向上、様々な洪水パターンへの対応が可能となる。

総事業費は約17億円、20年度からの3カ年工事の2カ年目となっており、21年度は藤原ダムの放流設備改良工事などを予定している。

【相俣ダム堰堤改良】

相俣ダム(みなかみ町相俣)はクレストゲートと県企業局の発電設備により放流を行っている状況。貯水位がクレストゲートの敷高を下回った場合、発電による放流しかできないため、新たな設備を設置、ダムの安全性向上および適正管理などを図る。21年度は修理用ゲート設備の工場製作に取り組む。

【相俣ダム貯砂ダム土砂掘削工事】

相俣ダムの貯水池維持を目的に、ダム上流本川の赤谷川と、支川の西川に貯砂ダムを設けて流入土砂を止めている。これら貯砂ダムの土砂堆積量が増加したため、掘削工事を行う。掘削土砂は地元自治体と調整し、近隣の土砂受け入れ地への運搬を予定している。

工事は7月~9月に標準型の一般競争入札で公告する予定。発注者指定型の余裕期間制度活用予定の工事となる。

【藤原ダムインクライン設備修繕工事】

作業船の昇降に使用するインクライン設備の修繕を実施。同設備は1982年に整備したもので、台車や走行レール、建屋などの劣化が確認されている。修繕工事は6月までに標準型の一般競争入札で公告する見通し。工期は7カ月で、フレックス方式活用予定の工事となっている。

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