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【労働災害】20年の建設業は死亡、死傷者数が前年比で減少

2021/05/07 本社配信

 厚生労働省が発表した2020年の労働災害発生状況(確定値)では、建設業の労働災害による死亡者数は258人で業種別では最多となったものの、前年比で11人減っており、3年連続で減少した。また休業4日以上の死傷者数は製造業、陸上貨物輸送事業に次いで多い1万4977人で、前年比206人の減少だった。現行の第13次労働災害防止計画において、建設業では死亡者数を17年と比較して5年で15%減らす目標を掲げており、現時点では目標を上回るペースで死亡者数が減っている。

 事故の型別を見ると、建設業では死亡災害、死傷災害ともに「墜落・転落」が最多で、全体の3割強を占めた。長期的には減少傾向にあり、死亡者数では初めて100人を下回った。死傷者数では「転倒」が近年は増加傾向となっている。

 厚労省では「墜落・転落」による労働災害止防止に向け、引き続き墜落・転落災害防止に係る労働安全衛生規則の順守とともに、フルハーネス型墜落制止用器具の適切な使用の徹底を図る。さらに、はしごや脚立を使用する前に確認すべき事項をまとめたチェックリストを活用した対策も実施する。

 全職種の労働災害による死亡者数は802人(前年比5・1%減)で、3年連続過去最少となったものの、死傷者数は13万1156人(同比4・4%減)で前年の減少から増加へと転じた。

 なお、新型コロナウイルス感染症の罹患(りかん)による労働災害発生状況によると、死傷者数は全業種で6041人となり、うち建設業は187人だった。

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