記事

事業者
栃木県佐野市

佐野市上下水道庁舎、7月に3工種分離公告、RC2階1200平方m、継続費5.6億

2021/06/03 日本工業経済新聞(栃木版)

 佐野市は、新上下水道庁舎建設事業に着手する。大橋浄水場(大橋町1165)の一角にRC造2階建て延べ床面積約1200平方mの新庁舎を2021~22年度の2カ年間で建設する。7月には建築、電気、管の3工種に分離し、条件付き一般競争入札を公告。8月には開札し、落札者を決定する。継続費5億6300万円を設定した。

 継続費年割額は21年度1億9705万円、22年度3億6595万円。工事概要は建築一式、電灯、放送、動力設備一式、給排水衛生器具設備一式。工期は各14カ月を見込む。実施設計は20年度、AIS総合設計(宇都宮市)が手掛けた。

 現水道庁舎はRC造平屋建て延べ床面積472平方m。1969年11月に完成し、築50年以上が経過。手狭な上に老朽化が著しく、耐震1次診断で耐震性不足が指摘された。構造躯体の耐用年数が過ぎており、現地建て替えで現庁舎の2倍以上の広さを確保する。

 現水道庁舎を利用しつつ、同一敷地内に新上下水道庁舎を建設する。20年度に敷地内に建つ旧水道官舎と資機材倉庫を解体撤去し、建設用地を生み出した。新上下水道庁舎は耐震性に優れ、使い勝手が良くメンテナンスのしやすい総2階建てとする。

 計画では市水処理センター2階(植下町3300)に入居する下水道課の分散配置を解消する。旧渡良瀬川上流流域下水道秋山川処理区は15年度に県から市に移管され、下水道法の規定に基づき流域下水道事業から公共下水道事業に移行した。

 移管に際し県から秋山川浄化センター、幹線管渠、中継ポンプ場を引き継いだ。県秋山川浄化センターは市水処理センターに名称を変更し、市町合併で流域下水道関係自治体が一つになったことから市が管理。市水処理センターは1級河川秋山川沿いに立地している。

 20年4月の市組織機構改編により水道局が下水道課を併合し、上下水道局に改称した。新上下水道庁舎1階部分の窓口・事務室に企業経営課、水道課、下水道課を集約。2階には会議室、浄水場運転管理中央監視制御装置室、民間委託業者事務室を配置する。

 市は民間委託業務範囲を順次拡大。07年度から料金収受業務、13年度から浄水場運転管理業務を民間企業に委託。民間のノウハウを活用し、担当職員は50人以下に抑えている。引き続き取水(井戸5)、浄水、送配水施設を備えた大橋浄水場は機能を維持する。

 新上下水道庁舎完成まで、現水道庁舎は企業経営課と水道課職員が使用。新上下水道庁舎完成後に引っ越し、下水道課職員が改めて配置される。新庁舎完成後、現行の水道庁舎の増築部分を解体する。22~23年度で解体撤去と駐車場整備工事を推進する。

 水処理施設(沈砂池、汚水ポンプ、沈澱池、反応タンク、塩素混和池)、汚泥処理施設(濃縮槽、消化槽、ガスタンク、脱水機)、ポンプ場が稼働中の市水処理センターは継続使用。汚泥処理過程で発生する消化ガス発電、敷地の有効活用に太陽光発電を実施している。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら