記事

事業者
茨城県神栖市

9月議会案件で23年度供用/最短6月公告を視野/波崎温水プール12億1600㎡

2021/04/21 日本工業経済新聞(茨城版)

 神栖市教育総務課は、波崎地区に整備する温水プール建設工事を早ければ6月中に公告する見込みだ。当初予算において2カ年継続費12億3510万円を措置した。施設全体では延べ床面積1600~1880㎡程度の規模を想定。メイン5レーンと低床2レーンの屋内温水プールを備える。設計を6月中にまとめ、工事を一般競争入札で発注し、9月議会での本契約可決を目標とする。年度内に着工し、2023年度の供用開始に向けて進めていく。

 市は小中学校のプールが老朽化しているため、学校利用を前提とした公営プールを整備し、集約することを計画。建設地については公営プールがない波崎地域のうち、利便性やまちづくりの観点から豊ヶ浜運動公園の波崎体育館周辺(波崎9183―2ほか)を選定した。

 建設位置については波崎体育館の南東側に隣接するエリアと、フットサルコートや弓道場と隣接するエリアの2カ所を候補とする。施設内部は主にプール室内と、その他のトレーニング室や事務室などで構成。基本・実施設計を㈱土屋建築研究所(牛久市)が6月末の納期で進めている。

 メインプールについては1学年最大100人程度で学校授業を行うことを想定し、25m×5レーン(約300㎡)程度とプールサイドを設ける。多世代が利用しやすいように水深を1m程度とする。低学年児童用には段差による低床レーン(水深0・7m)を25m×2レーン設置する。さらに幼児用プール(水深0・4m程度)、ジャグジー、採暖室、温浴施設(脱衣室・浴室)など。

 更衣室、シャワー室、トイレに関しては男女別に設け、児童・生徒100人程度の利用に対応できる広さとする。車いす利用者が利用できる多目的更衣室を別途整備する。プール関係以外の想定施設としてトレーニング室(60㎡)、談話室(観覧スペース兼用、40㎡)を置く。

 このほか事務室(50㎡)、廊下・ホール、トイレ(共用部)、風除室、機械室(200㎡)を見込んでいる。災害時にも温浴施設の使用を可能とするため、自家用発電機やプール水の緊急用浄化装置も設置。

 温水プールの熱源については重油または電気による熱源機器の導入を検討。基本計画においては重油ボイラーが設置可能な機械室としている。熱源を電気にする場合は屋外設置が一般的であるため、機械室の面積を見直す必要がある。

 継続費の年割額は21年度2億4702万円、22年度9億8808万円とする。概算で建設費を9億6400万円(対象面積1740㎡)と試算。内訳は工事費8億9600万円のほか、基本設計費1500万円、実施設計費3900万円、工事監理費1400万円。インフラの引き込み費用や什器・備品費などは含まない。


【写真=波崎体育館の敷地内に建設する】

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら