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整備補修費に16・2億円/維持管理計画が決定/新川機場の管理運用/県営根木名川地区

2021/11/30 日刊建設タイムズ

 県営根木名川地区土地改良事業(成田市)の維持管理計画が決定した。1994年度から2001年度にかけて県営かんがい排水事業根木名川用水地区により造成した新川揚水機場と、独立行政法人水資源機構との共同施工である取水口(堤防樋管等)について、維持・保存・運用、とこれに伴う改築、追加工事を含めた管理を行う。また、同地区では基幹水利施設ストックマネジメント事業を計画しているが、これまで維持管理計画が無かったことから、新たに取りまとめた。

 維持管理計画では、成田市新川にある新川揚水機場を対象に、事業年度の経常的経費の概算額と耐用年数期間中に必要となる整備補修費の予定額を示した。

 事業年度の経常的経費に4000万円を見込み、耐用年数期間中に必要となる整備補修費は16億2000万円とした。経常的経費の内訳は、通常の維持管理費2200万円と運転経費1800万円。整備補修費は定期的・臨時的整備補修費100万円と、大規模修繕・更新に係る整備補修費16億1900万円。

 新川揚水機場には、揚水機2台と原動機2台がある。揚水機は横軸両吸込渦巻で口径700㎜と500㎜。原動機の能力は500KW。

 このほか、水資源開発公団成田用水事業において整備した施設として、堤外導水路、堤防樋管、制水門扉がある。堤外導水路は、コンクリートブロック積み開渠L69・37m・H2・94m・B16・76m。堤防樋管はRC造L95・48m・H2・30m・B3・00m2連。制水門は鋼製電動式で、主制水門、副制水門が各2門となっている。

 同地区は、県北部の利根川右岸に広がる水田地帯。首都圏に近接した農作物の供給基地として、県下でも有数の穀倉地帯となっている。用水源は利根川から直接取水。かんがい用水を供給するため、1969年度からの県営かんがい排水事業根木名川地区や県営ほ場整備事業により整備された。

 さらに、78年5月の新東京国際空港の開港に伴う交通量の増加、周辺環境の変化等により、漏水事故やポンプ吸水槽の水位低下による通水障害が多発し、抜本的な改修が必要となり、94年度から2001年度にかけて県営かんがい排水事業根木名川地区により揚水機場や用水管の更新が行われた。

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