コラム

2002/10/23

地震の恐ろしさを知る(前・HU)

2002.10.23 【地震の恐ろしさを知る】

▼今夏、国が初めて東海地震の被害想定を明らかにした。最大で23万棟の建物が全壊し、死者数は最悪で8100人に上るというものだ。それを、該当地域の人たちはどう受け止めているのだろうか。この中には、昨年から強化地域に指定された愛知県も含まれている

▼先日群馬県で、三州瓦の見本市が開かれた。会場は、伝統的な和形・S形に交じり、防災用瓦も並べられていた。メーカーの担当者に「愛知の一部は東海地震の想定区域に組み込まれているから、防災用瓦の需要もおありでしょう」と聞くと、冷めた表情で「私達が生きている間に本当に来るのかどうか。それよりも愛知は台風です。この瓦なら少しくらいの台風は大丈夫です」

▼愛知はこれまで、幾度となく台風が上陸しており、木曽川、長良川、揖斐川が集中する名古屋市西部は、水位が上昇すると被害は甚大だ。伊勢湾台風を体験したという人に話を聞いたことがあるが、当時の恐怖は今でも忘れることはないという。毎年台風がくると、体がすくんでしまうという

▼大地が揺れる―。これは、人智を超越する現象だと言う人もいるだろう。それほど地震の前に人は無力かもしれない。しかし、阪神淡路大震災の結果を見て欲しい。多くの建物が倒壊し多くの人命が奪われたが、その構造や対応の有無によって、被害の差は歴然としていた

▼静岡県のホームページに、木造住宅耐震補強ITナビゲーション「耐震ナビ」がある。オンライン耐震診断(イメージ)や、耐震補強工法の検索が簡単にできる。今年の1月に開設したこのサイトは、静岡県庁の担当者に聞くと、なかなか好評なのだそうだ。(前・HU)

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