コラム

2002/11/30

空港都市国家シンガポール

2002.11.30 【空港都市国家シンガポール】

▼マレー半島の最南端に位置するシンガポールは面積約647、人口約400万人の小さな国だ。広さは東京23区程度、人口は茨城県より少し多い。旅行案内書などでは「燃えるような南十字星の輝きとエキゾチックな街並み」といった表現で、若者にも人気の国だが、これからの世界の動向を見るとき、決して見落とせない国のひとつである

▼美しいのは南十字星だけではない。「東洋の十字路」と呼ばれるようにアジアの各国はもちろん、欧米からもビジネスや観光などで訪れる人が非常に多く、東洋文明と西洋文明が出会う場所でもある。同国の活気を支えるのがチャンギ空港である

▼東南アジアの基幹空港と言われるチャンギ空港は年間利用者数約2、800万人で、成田新東京国際空港の利用者数にほぼ匹敵する。しかし、成田空港より優れているのは目的地までの距離の短さと空港施設の充実度。「世界のトップレベルの空港」という折り紙付だが、同国政府は2006年の供用開始を目指し、第3ターミナルの建設を進めている

▼2020年までの航空需要にも耐えられる先行投資といわれ、同国の空港都市国家として主導権を握ろうとする情熱が垣間見える。大国とか小国といった基準は面積や人口の大小では測れない時代に突入している

▼日本の47都道府県はすべてシンガポールより面積がはるかに大きい。最近、改革派知事が高速道路問題などで持論を展開しているが、なかなか突破口を見つけるのは大変のようだ。昔は都市国家アテネ、現代はシンガポールなどの一見して小国家の「都市戦略」を研究することも重要ではないだろうか。

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