コラム

2002/11/16

「オッス」と「押忍」(さ・YK)

2002.11.16 【「オッス」と「押忍」】

▼元ビートルズのメンバーであるポール・マッカートニーが来日した。彼は空港に着くなり、「オッス」とファン、マスコミにあいさつした。彼のファンには恒例の言葉だ。ポールは相当の親日家で、もう10年以上この「オッス」を使っている

▼何故「オッス」なのか?もしかして護身術として空手を習っているのか?彼をあまり知らない人ならそう思うだろう。普通のあいさつなら「こんにちは」とくるはずである

▼普段の生活で最も多く使っている言葉はこの「こんにちは」もしくは「おはようございます」ではなかろうか。家で、職場で、もしかしたら一生の中で一番使う言葉なのかも知れない

▼そもそも「あいさつ」とは何か?ぎすぎすしがちな人間関係の潤滑油と言う人がいる。今、全国の学校で「オアシス」運動が行われている。「オ」は「おはよう」、「ア」は「ありがとう」、「シ」は「しつれいします」、「ス」は「すみません」とする内容。本来情報伝達手段である言葉は、あいさつにより、人と人とを繋ぐ機能へと変わる

▼ポール・マッカートニーが日本語のあいさつを覚えようと思った時、「ハロー」に匹敵する言葉はないかと探した中、覚えやすく、発音しやすいため、白羽の矢が立ったのが「オッス」だったらしい

▼もともと「オッス」とは戦時中の日本海軍において「おはようございます」の頭とお尻をとって出来た言葉だそうだ。空手などで使う「押忍」は所謂当て字だが、武道精神に沿った意味合いになったようだ。依然先が見えない不況のご時世。多くの日本人にはしばらく「押忍」の二文字が切り離せない。(さ・YK)

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