コラム

2002/11/19

ゴルフ場もダンピング(水・YH)

2002.11.19 【ゴルフ場もダンピング】

▼青空の下、澄み切った空気に包まれてのナイスショットはたまらない快感で醍醐味がある。上手・下手に関わらず、ゴルフに熱中する背景には自然の懐で明るく開放的に、そしてスポーツを通じての平等意識が連帯感を生む所にある

▼小さな穴ぼこに玉を入れるだけの単純なゲームだが、自然のアンジュレーションと自らの精神を克服しなければならないというプラスアルファが面白みを増す。出勤時には朝寝坊しがちなお父さんもプレイ当日は実に早起きだ。「何が面白い?」と見送るお母さんには理解しがたいところだが

▼そのゴルフ場の多くが経営危機に陥っている。バブル期は満員状態で、全国にゴルフ場は約2400箇所にも膨れあがっていた。しかも首都圏に隣接し集客条件の良い北関東には15%も集中している。全国ベースで破綻ゴルフ場が9月末で72件。北関東だけでも概ね30箇所が行き詰まっているという

▼ご多分に漏れず不景気に起因するのだが、プレイ費をダンピングして客は増えるのだが内容が悪くなる。それでも営業を継続しなければならないという台所事情から悪循環が生まれる。薄給のお父さんにとっては助かるが、経営者は深刻だ。サービスの低下を承知でリストラ等によるコストダウンを図るご同様の生き残り策

▼建設業界も全く同様。最盛期60万社と言われたがさすがに減少傾向だ。その生き残り策としてダンピングが横行するのは自然な成り行きだ。しかしインフラ整備に採算度外視の危険さを危惧しないわけには行かない。中でも最も怖いのは発注者の「安価でも良い」という受益者軽視の安直な血税の使われ方である。(水・YH)

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