コラム

2002/12/04

寒い日も暑い日も(さ・YO)

2002.12.04 【寒い日も暑い日も】

▼師走に入り、いよいよ今年もあとわずか。テレビも新聞も、今年1年を振り返る企画ものが増えてきた。景気の冷え込みは相変わらずだが、一日の最低気温も「この冬最低」と毎朝のニュース、天気予報で報じられ、日々の挨拶も「寒くなりましたねぇ」一色の日々だ

▼日本最低気温の日は、明治35年の1月25日、北海道は旭川市で氷点下41・0℃。この日は「天は我々を見放した」のフレーズで知られる青森県の八甲田山での遭難事件が発生した日でもある。また観測所記録では昭和6年の1月27日北海道の美深で氷点下41・5℃という

▼だが、世界は広い。世界最低気温は、昭和58年7月21日に南極ボストーク基地で観測されている。氷点下89・2℃という息もできない気温だ。凍ったバナナで釘が打てるどころの騒ぎではない。ちなみに北半球では永久凍土で知られるシベリア東部のオイミヤコン村で昭和39年1月の氷点下71℃

▼では、逆に暑い日は?近年では埼玉県熊谷市が、猛暑で有名だが、記録は昭和8年7月25日の山形市で、40・8℃。ちなみに世界では、イラクのバスラで記録した58・8℃。日本でも80℃以上、世界では130℃も温度差があるのは驚異的

▼天気も景気も同じ「気」という文字を使う。日経株価が最高を記録したのはもう一昔前。これ以降、株価はもみ合いながら、日没後の気温のように下降の一途。「まぁ、気温と同じで、暑い日もあれば、寒い日もあるさ」と、のんきに構えてもいられないが、大きな流れの中で、庶民にはいかんともしがたい。日本の経済は氷点下状態がいつまで続くのやら。「来年こそは」と期待しながら日々研鑽である。(さ・YO)

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