コラム

2002/12/05

木造の暖かさが好き(立・YK)

2002.12.05 【木造の暖かさが好き】

▼妻の従兄弟が20年近い修行を経て出身地の丹波篠山に戻り、お寺の住職になった。数年前そのお寺にお邪魔したことがある。木造・漆喰の日本的な建物で、本堂に一人で座っていると心落ち着く空間だった。周囲の環境や風景とも良く馴染む町外れのお寺で、昔話に出てくるような雰囲気を持った建物だ

▼対照的に私の実家のお寺の本堂はRC造の巨大な建物だ。入り口の山門近くに3年ほど前に建立した三重塔(木造)との見た目のバランスが非常に悪く、どうして違和感のあるこんな物を建ててしまったのかと首を傾げている

▼一番の要因は、中半端に古いRC造の本堂と、木目の美しい塔の色コントラストのためだが、それだけではない。心のどこかに、お寺などは木造の暖かみがあった方が良いと言う意識があるのだと思う

▼昨今、木造校舎が注目を集めている。木造校舎とRC造の校舎を比較し、児童・生徒の健康に与える影響もデータが採れてきている。木造の方が子供には良いのが解っていても、地方財政は破綻状態にあり、安易に校舎の建て替えは出来ない。耐震基準に則って補強・改修する流れは当分変わるまい。しかし小・中学校を木造校舎で過ごした者としては、何とかして内装だけでも木を使った方策を考えてほしいと思っている

▼以前、子供の学校で一寸した不注意から眼鏡は割る、足は挫くと散々な目にあったことがある。子供の学校の床は木だったが、昔の木の床とは違いコンクリートに薄い木製フローリングを貼ったものだった。昔の先生は怖かったが、教室での子供は明るく飛び跳ね、寝ころんだりして、リラックスしていた。(立・YK)

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