コラム

2002/12/18

宝くじについて私考(前・HI)

2002.12.18 【宝くじについて私考】

▼12月、師走も半ば。郊外の大型店に圧され、普段は閑古鳥の鳴く中心市街地の商店街も、この時ばかりはかき入れ時かと思い足を運べば、余り変わらない。その中で一軒、客の出入りが激しい店舗を見つけた。店の名は「○△酒店」という酒屋だが、出てくる客は酒もビールも持っていない

▼結論から言えば、その酒屋では宝くじを販売しており、客はそれを求めて来店していた。過去に高額の当選が出たというその酒屋は、小さな売場に、レジが2台置いてある。1台は宝くじ専用で、入店すると「宝くじですか?ではこちらへ」と誘導される

▼宝くじによる胴元の儲け「益金」は、公共事業等を行うための資金にもなる。つまり街づくりに役立つわけだが、この酒屋は、宝くじを販売することで、店づくりを図った。店主の長男は金融機関に勤めていたが、店の将来に希望を見出し、跡継ぎのため店に入ったという

▼ある人は、宝くじを「超ハイリスクハイリターン商品」と言って買っている。確かに、宝くじ10枚3000円の投資で3億円が当たれば、これ以上の投資はない。その人によれば「家族と自分を納得させるため」と言う。くじ(ギャンブル)を投資商品にすり替えようというわけだ

▼確かに宝くじに当たる可能性は少ない。計算上は1ユニット(1000万本)?億円の売り上げうち、半額近くが賞金として支払われるが、6等300円以外の当たる確率が1・5%弱というのも事実だ。「宝くじは夢を買う」と、多くの人が言う。それは「当選したら何を買おうか」という夢もあるが、この不景気の中、何を思い宝くじを買い求めるのか。(前・HI)

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