コラム

2002/12/21

日曜はなぜ休日(甲・EO)

2002.12.21 【日曜はなぜ休日】

▼1週間ごとに休日を設けることを週休制というが、我が国では明治7年に官庁に導入されたのが始まり。同9年には、土曜を半休とする、いわゆる半ドンも追加導入となった

▼この制度の導入以前の役人が、休みなく働いていたわけではない。それどころか、毎月1と6の日(1日、6日、11日、16日、21日、26日)が休みで、このほか節句や祭りの日を休みとする慣行があり、勤務日数は1年の半分にも満たなかったそうだ。週休制の導入は、役人をもっと働かせるのが目的だった

▼一方、当時の商人や職人といえば、盆と正月を除けば休日はせいぜい月2回(1日、15日)ほどで、中小・零細企業の工場労働者にはそれさえなかった。このため、明治44年に工場法が制定され、婦人・年少労働者については、毎月少なくとも2回の休日を設けることが定められた

▼明治33年当時、日本資本主義発展の中心となっていたのは綿糸産業。国民の極めて低い生活水準が許した昼夜2交代12時間労働の低賃金の女工がその推進力だった。戦後の新憲法が施行された昭和22年には労働基準法が制定され、1日8時間、週48時間(現在は週40時間)労働とともに週休制が確立された

▼しかし、日曜が休日と決められている訳ではない。現在、我が国で日曜がほぼ国民的な休日となっているのは、官庁・学校と、多くの企業が日曜を休日としているのにすぎない。諸外国における休日は、安息日とされるキリスト教で日曜、ユダヤ教で土曜だが、日本人のように休日を余暇や買い物にあてるなどは、神を冒涜する行為として厳しく禁じられている。休日の意味は複雑である。(甲・EO)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら