コラム

2002/12/26

安全な水を求めて(埼・YW)

2002.12.26 【安全な水を求めて】

▼水の確保こそ人間の生きる上で最小限の必要不可欠な代物と言えるのではないか。「いのちの水」にまつわるエピソードや重要性について触れてみたい

▼昨今、水道水を飲む人よりもミネラルウォーターを飲む人の方が多いとさえ言われている。消費者アンケートでは大部分の人はミネラルウォーターを購入したことがあるそうだ。ミネラルウォーターを扱う大手商社がミネラル戦争を起こしているほどだ。わが国の水道水の安全性は世界のどの国よりも高いことは今も疑いはないが、それでも消費者はミネラルウォーターを購入する

▼よりおいしいものへのこだわりがそうさせているのではないか。水はただみたいなものではないのだ。お金をかけてよりおいしく安全な水を追求する精神が芽生えてきたのではないか。レストランに行くと、日本では注文の前に水が無料でサービスされる。しかし、諸外国は決してそうではない。なぜなら、水は貴重なため立派なメニューになっているからだ

▼パリではカフェで気取ってカフェオレを飲むというイメージがあるが違う。最もおしゃれなのは、カフェでミネラルウォーターを注文することなのだ。学生時代、本でそのことを見て早速試した。ミネラルウォーターを注文すると、こういう返事がすぐに返る。「どこそこの源泉のミネラルですか」と聞いてくる。一瞬戸惑ったが、「アルピ」と返答した記憶がある。アルピは言うまでもなく「アルプス」のことだ

▼日本の水は安全だが、不安もある。世相の変化と嗜好の変化が複雑に命の糧にまで影響してきている。選択は自由だが筆者には贅沢に見えてならない。(埼・YW)

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