コラム

2003/01/08

シエラレオネ共和国

2003.01.08 【シエラレオネ共和国】

▼2003年、新たな年がスタートした。この年末年始に、今年の目標を立てた人も多いと思うが、それを成し遂げるためにも、第一に健康を願わずにはいられない。食事は腹八分目に、適度な運動をして予防に努めるが、やはり安心していられるのは、我が国の高度な医療サービスが整っているからだろう

▼シエラレオネ共和国をご存じだろうか。平均寿命は男37・5歳、女40・6歳と「世界で一番短い国」とも言われ、アフリカ大陸西部に位置し面積が北海道程度の小国だ。同国は平均寿命最短のほかにも、乳幼児死亡率最悪、妊産婦死亡率最悪など、世界で最も悪い医療レベルを示す統計指標は事欠かない

▼ではなぜ、これほどまでに医療事情が悪いのか。それは、政府軍と反乱軍(革命軍)による内戦が経済や人々の生活を不安定にしている影響が大きい。しかしこの反乱軍は、正確には国内だけの問題ではない。同国南東部で産出されるダイヤモンドを狙い、隣国のリベリアがその利権を狙い、反乱軍に見せかけて攻めてきたのだ

▼アフリカ大陸諸国の内戦は、ヨーロッパ諸国による植民地化により、ヨーロッパ人が勝手に引いた政治的国境が要因となっている。このことが民族間の争いをうみ、長期化する内戦を生み出している。アフリカにも、ヨーロッパ諸国に勝るとも劣らない長い歴史と誇るべき文化があったが、それらを武力で制圧し、押しつけ型の同化政策を行ったことが大きな過ちだ

▼今年は、市町村の合併をはじめ、建設業界の再編がさらに進むことが予想されている。しかしそれが、「力」による押しつけにならないことを祈るばかりである。

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