コラム

2003/01/15

街道に思いはせて(埼・YW)

2003.01.15 【街道に思いはせて】

▼「道」に対しての思いはまさに人様々だろう。昨今の動き、ニュースを踏まえ道について考えてみたい。大上段に構える積もりはない。余りにも身近でつい忘れがちなテーマにわずかばかり

▼道路公団の民営化、道路特定財源のあり方など、昨今道についてどうしても悪者のレッテルが張られ議論になりがちだ。しかし、これほどまでに人々の生活に密着している社会資本はない。歴史の教科書に出ている5街道について、毎日横切っている中山道や住んでいる町を通る日光街道を見ると、これが5街道かとスケールの小ささを情けない思いがする

▼なぜ、真っ直ぐ走っていないのか、ここに大きい石があったから迂回したのかといった成り行き上なのか、もしくは江戸時代の道路だから、良い道路に敢えてせず、大量に江戸へ侵入できないようにしているのかといった軍事的なことも想像した

▼いずれにせよ、江戸時代も現在も人、物流にとって道路は欠かすことのできない社会資本であり、情報ルートであり、さらには町づくり、地域コミュニティーの中核に捉えることだってできるのだ。筆者の住む埼玉県草加市には松尾芭蕉が通って、そこで残した俳句が銅像とともに掲げられている。当時の松並木も保全され、木造の江戸情緒漂う橋が建ち、市民に愛されている

▼全国の至る所で白蔵づくりを旧街道沿いの商店街に再整備し、その地域は条例で建物の外観は白とすることを決めるなど町並みを整備し町づくりに生かし道をコミュニティーの拠点にしている例もある。道は何百年もその移り行きを見守っている。どんなに世相が変化しても道の役割は永遠に不変だ。(埼・YW)

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