コラム

2003/01/17

書き初め(立・YK)

2003.01.17 【新年の書き初め】

▼年の暮れから新年にかけて筆者の家はとても忙しい。大掃除や正月の準備はもちろんのことだが、子供達の冬休みの宿題となっている書き初めの練習で時間を割かれるためだ。墨で汚してもすぐ拭き取れるように、板の間の部屋の大掃除を最初に終わらせるのが、我が家の冬休み最初の仕事となっている

▼書き初めは、古来宮中で『吉書始の式』が正月2日に若水で墨を磨り、めでたい名歌名文を書いたのが起源とされている。庶民に広まったのは、江戸時代に入ってから。書の神様とされている菅原道真の絵を飾って、吉方に向い、おめでたい詩歌を書いた。菅原道真は空海・小野道風とともに『書の三聖』の一人として崇められている

▼関東で菅原道真を祀っているのは、東京都文京区にある湯島天満宮(湯島天神)が有名。今年は我が家も一家揃って『書の神様』にお参りに出掛けた。正月三が日をはずしたとはいえ、さすがに湯島天神は学業の神様として有名で、受験生らしき親子でお札授与所は長蛇の列。奉納されている絵馬は『合格祈願』のものばかり。その中に娘の『字が上手くなりますように』と少し毛色の変わったものが紛れ込んだ

▼自宅に戻り、子供達と書き初めの清書に取り組んだ。書写展の課題は『明るい心』『早春の空』『希望の春』。筆の入れ方、運筆の速度、止め、払い、命毛と呼ばれる穂先までもろもろ注意を払いながら清書を繰り返す

▼やればやるほど、ここが駄目、今度はあそこが駄目と何度も何度も繰り返す。ここで頭をよぎるのは国の経済政策である。今年こそ『明るい心』『早春の空』『希望の春』の日本であって欲しいと願う。(立・YK)

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