コラム

2003/01/22

受注は大競争時代へ(長・MT)

2003.01.22 【受注は大競争時代へ】

▼「脱ダム宣言」などで何かとその言動が注目される田中知事の長野県で、コンサル業務の入札を対象に、「受注希望型入札」の試行が昨年末から試行され、2月からは工事にも拡大される。これで通常の指名競争入札は姿を消し、今後は「一般競争」「公募型」「簡易プロポーザル」とD・Eランク業者を対象にした「参加希望型」の4パターン

▼長野では県が実施する入札は原則公開なので、誰でも入札会場に入れる。新たな入札制度がどのように行われているのか。昨年末に県の某出先事務所に取材へ出かけた

▼定刻になると先ず入札を行う件名を読み上げ、あらかじめ郵送された入札書を開封する。それを金額の低い順に並べ替え、低い順から3者読み上げ終了となる。コンサル業務の場合は最低制限価格が設定されていないので、よほどのことがない限り自動的に最も低い金額で応札した業者が落札となるが、その場ではあくまで「落札業者の候補」として扱い、落札業者が決定するまでには1週間程度かかる

▼従来のように落札業者が一礼する場面もなく、この日行われた2件の入札は、15分程で終了した。応札者数は1件に対して10数者あったものの、実際会場に来ていた業者は9者。発注者側に聞いてみると、落札業者には決定後ファクスで通知するので入札会場に業者は必ず来る必要はないという

▼担当者の実に「淡々」という言葉にふさわしいほどあっけなく終わったこの入札制度に、大きな変革の波を強く感じた。是非論はあるだろうがこれが現実である。公共事業に関する環境は確実に変わりつつある。つまり大競争時代に突入したのだ。(長・MT)

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