コラム

2003/02/20

攻めと守りのバランス(立・YO)

2003.02.20 【攻めと守りのバランス】

▼今年もスーパーボウルは大いに盛り上がった。日本ではアメフトにあまり馴染みが薄いが、米国の熱狂ぶりは当然ながら半端ではない。テレビ中継だけで1億3700万人が観たという

▼たった1試合で日本の人口を超える視聴者が存在する大イベント。中継で流れるコマーシャルも経済効果は相当なものらしい。今年は何のCMかと毎回話題をさらうが、過去有名なのはアップルコンピューター社が1984年に流したCM。独裁者の管理社会を描いたSF小説「1984年」を基に、当時コンピュータ業界を支配していたIBM社に挑戦状を叩きつけた。既存の概念や社会を突き崩そうと訴えた、刺激的な内容だった

▼さて肝心の今年の試合だが、オフェンス(攻撃)の成績ナンバーワンとディフェンス(守備)の成績ナンバーワンのチーム対決とされ、前評判ではオフェンス有利。しかし結果は、攻撃主体のレイダースを完全に封じ込め、その機に乗じて本来は守備主体だったバッカニアーズが反撃、思わぬ大差で勝利した

▼攻撃は最大の防御とよく言うが、この試合に限っては、むしろ「防御に勝る攻撃なし」だった。もちろん攻撃と防御は表裏一体、どちらか片方が優れていれば良いというものではない。今回の試合も、防御のみならずそれをうまく攻撃に転じたチームが勝利をつかんだ

▼困難な局面が続く日本経済、かつてアップル社のCMが訴えたような閉塞した現状を突き崩す挑戦は、怠ってはならない。そのための構造改革はもちろんだが、しかし一方で経済対策や雇用対策は重要。「攻め」と「守り」のバランスが取れた政策を強く望む。(立・YO)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら