コラム

2003/03/29

フェアーとアンフェアー(新・YA)

2003.03.29 【フェアーとアンフェアー】

▼ワールドカップの熱狂も過去のものとなり、最近ではサッカーの話題が上ることもめっきり少なくなってしまったが、先日Jリーグで起きたプレーは話題を呼んだ

▼去る3月8日、京都で行われたナビスコカップ京都・大分戦。大分の選手がケガで倒れたため、京都の選手はプレーを止めようとボールをピッチ外へ。サッカーではこのような場合、フェアプレー精神に則ってボールを相手側に返すのが常識。ところが、スローインで京都側へ戻るはずのボールは、センターサークル付近の大分のロドリゴの下へ。パスと勘違いしてロドリゴ選手は、棒立ちの京都の選手を尻目に、難なく勝ち越しゴールを決めてしまったのだ

▼これに慌てたのか、大分の監督は試合を振り出しに戻すよう選手に指示。試合が再開すると、今度は大分側の選手が全くボールに触ることなく、京都が易々と同点ゴールを決めた。試合は結局、京都が大分を3対2で下した

▼結果的には勝敗に関係の無かったはずのこのニュースが大きく取上げられたのは、この日から導入された新くじ「トトゴール」が原因。これは試合の勝敗を予想する従来の「トト」とは異なり、各試合のゴール数を予想するもの。つまり、本来なら京都2・大分1となるものが、京都3・大分2に変わってしまった

▼今回、当選はわずか4口(1等約3、384万円)。「京都2・大分1なら当選していたのに!」という人もいるだろう。サッカーは「紳士のスポーツ」と言われ、アンフェアな行為には特に厳しい競技だが、くじ購入者にとっては、フェアプレー精神も今回はいい迷惑となってしまったかもしれない。(新・YA)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら