コラム

2003/03/05

身近な燃料電池車(甲・EO)

2003.03.05 【身近な燃料電池車】

▼エネルギー消費、原料枯渇、環境汚染、気候変化など地球を取り巻く環境が厳しくなっている。20世紀は石油の時代だったが、今世紀ではこれらの様々な問題を解決する燃料電池の時代の到来に期待。既に、値段は高いが数社から燃料電池車のリースが開始されるなど、実用化しつつある

▼燃料電池の開発は、今から160年以上も前にイギリスの科学者であるグローブが発電実験に成功したことに始まる。水を電気分解すると水素と酸素が発生するが、同電池はこの逆の原理を応用したもの。既に、スペースシャトルなどの宇宙船や潜水艦で活用されているが、通常の使用にはコストが高すぎる

▼京都市の地球環境産業技術研究機構と大手家電メーカーは、生ゴミを原料に微生物を使い水素を作り、発電する超小型バイオ燃料電池の基礎技術を共同開発。2リットルのペットボトルほどの容器で1家庭分の電気を賄える性能を持つ。生ゴミを有効利用するので地球温暖化や廃棄物対策にもなる。数年内には発売されるそうだ

▼また学習教材としてプラモデルの燃料電池自動車が一式3万9、000円で販売されている。これを販売しているのはノーベル化学賞を受賞した、あの田中耕一氏が勤務する島津製作所の子会社・島津理工器である。島津製作所は、教育用理化学機器の製造・販売のため130年ほど前に設立された企業だったのだ

▼教材には電力を生み出す固体高分子膜電池が1箇ついており、附属の電源アダプターを使い電気分解し、水素と酸素を作り燃料とする。燃料電池が色々な形で利用されてきた。値段とともに身近な資源となるのも遠くないことだ。(甲・EO)

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