コラム

2003/03/07

大事にしたい地域密着型(立・YK)

2003.03.07 【大事にしたい地域密着型】

▼小学校のカリキュラムに『総合』という時間がある。それぞれの学校で工夫し様々な授業が行われている。中でも多いと言われているのが英語の授業だが、東京都立川市のある小学校では、高学年(5・6年生)が味噌と野菜作り、中学年(3・4年生)は地域の歴史と昔の遊びの研究などを学んでおり、印象的だ

▼味噌作りは、大豆畑を借りて耕し、豆撒きから収穫、釜で大豆を炊き、味噌樽へ仕込む。豆撒きから約1年半かけて味噌へ熟成させる。無論、専門家(近所のおじさん達)の知恵と技術を借りながらだが、自分たちの育てた大豆が味噌になる過程を直接肌で感じる素晴らしい授業だ。その味噌は文化祭で販売するほか、地域のお年寄に配ったりして、好評を博している。当初は英語の授業を−といった意見が出ていたが、今はほとんど無くなった

▼『地域の歴史と昔遊び』も、児童の祖父母、地域のお年寄に昔の遊びや戦争体験などをインタビューして模造紙に壁新聞を作る。中学年とは思えない立派な物が出来上がる。地域の人を巻き込むので、登下校の際、通学路付近に住むお年寄達とコミュニケーションも取れ、こども達の通学時の安全にもつながっている

▼この地区の自治会には祭りや運動会など、イベントの度に倉庫や資材、場所、職人さんを貸してくれる建設業者がいる。地域の人はその業者を『S建さん』と呼んでいる。正式名で呼ぶ人とは会ったことがない。最近地区内の業者が立て続けに倒産し、自治会の会合で「もしS建が倒産したら、この地区もお終いだ」と副会長がボソッとつぶやいた。この様に思われている業者を潰してはいけない。(立・YK)

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