コラム

2003/03/14

苦闘する地方テーマパーク(水・KK)

2003.03.14 【苦闘する地方テーマパーク】

▼2月26日、長崎県佐世保市にある大型リゾート施設「ハウステンボス」が会社更正法の適用を申請した。その他宮崎市のシーガイア、岐阜県蛭川村の恵那峡ランドの経営破綻なども記憶にあたらしいところだ

▼地方テーマパークの経営不振の理由は立地条件の悪さとテーマ性の希薄さと言われる。ハウステンボスの場合、152万?もの敷地内にホテルやコテージを備えるほか分譲住宅をも併設する。大型複合型リゾートを目指したが、多くの施設が総花的で、個性や独自性に欠けるきらいがあった。そして何より大都市圏から遠すぎた

▼リゾート業界では、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランドの一人勝ち状況だ。年平均100〜150億円もの巨費を投じてアトラクション、イベントを刷新し続けて、1600〜1700万人の年間入場者を維持している。来訪者のうち初めての人は約3%、2〜9回、10〜29回がそれぞれ40%前後、30回以上という人が実に15%もいるから驚きである。“resort”という英語は、人々が「しばしば訪れる所」を意味する。ディズニーランド、シーは見事にリピーターを獲得し、リゾートの定義を実証している

▼失敗した施設の一番の要因はテーマの陳腐化にあると思われる。「外国村」などはテーマが限定されているため何度も訪れる人は少ない。その点ディズニーリゾートは「ファンタジー」をコンセプトにしているためイメージは無限に広がる

▼日本は欧米に比べて長期休暇が少ないが不況の長期化でレジャーも、より近場でより手軽にとなりがちだ。地方にとっては暫くは厳しい状況が続きそうだ。(水・KK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら