コラム

2003/04/02

第3の道を模索する(甲・EO)

2003.04.02 【第3の道を模索する】

▼日産自動車を蘇らせたカルロス・ゴーン氏、昨年開催のサッカーワールドカップで上位進出へ導いたJリーグ前監督のフィリップ・トルシエ氏など、こうしたフランス人はなぜか、日本の利点を上手く引き出す才能があるようだ。おそらく、日本人の性格、風習、組織、歴史などといった多くのものを熟知しているのだろう

▼日経夕刊の明日への話題の引用で恐縮だが、宇宙開発事業団の山之内理事長は、フランスの友人から紹介された日本の将来の著作について述べている。これは同国内で先頃出版された「日本永遠の再生(ルネッサンス)」のあらすじ

▼戦後日本の社会経済の変遷を分析、我が国の現状と将来について予測している。日本人の特性として島国という特徴から閉鎖社会をつくりやすい反面、非常に誇り高く常に世界のトップを目指したがるという矛盾を抱えていると指摘。貯蓄とイノベーション能力は異常に高く、世界の総貯蓄残高の3分の1を保有するほか、給与所得者の中に占める研究者の割合も欧米の水準以上、社会の変化に対応する反応も早いという

▼最も気になる日本の将来については、?スイスの様に孤立しているが静かで豊かな社会を楽しむ?勤労、家族、社会に対する価値観の崩壊による没落?日本人が本質的に持つ勤勉さと向上心により失敗を乗り越え、再び活力を生み出す−の3つの道を予測

▼この著者は?の道を歩む可能性が高く、加えてアメリカの真似ではない独自のモデルを構築するだろうとしている。現状をみると、それどころの話しではないが、このフランス人著者の予測が当たることを願わずにはいられない。(甲・EO)

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