コラム

2003/04/09

民間の智恵「PFI」事業(本・UT)

2003.04.09 【民間の智恵「PFI」事業】

▼PFI事業を導入する自治体が急速に増えてきている。ご承知の通りPFIとは噛み砕いた言い方をすれば「民間の知恵と工夫を使う手法」をいう

▼ある事業を、通常の公共事業として行うかPFI事業として行うかは、発注者がVFM評価等で判断して決める。VFM(ヴァリュー・フォー・マネー)とは、「同一の支払いに対して最も価値の高いサービスを供給する」という考え方で、「VFMがある」とか、「より大きなVFMを得られる」という言い方をする。現在国土交通省では、所管事業を対象にVFMシュミレーションを実施しており、どのような施設・事業がPFIに適しているのかを調査・検討している最中だ

▼先日、「衆議院赤坂議員宿舎整備等事業」の事業者選定結果が明らかになった。鹿島建設グループが333億9276万円余で落札。同グループの構成員は他に東急コミュニティー、セコム、東京ガス、日建設計。協力会社としてホテルオークラ東京が名を連ねている。平成44年3月末まで事業運営していく

▼PFIの研究を進めている政策研究大学院大学の西野文雄教授によると「日本でのPFIは公共事業価格の低減が主目的」であり、「新規公共事業の5%前後が適切な水準か」と述べている

▼PFI事業は、中小企業にとっては直接関係しないようにも見えるが、国土交通省の質問回答集によると、「数十年におよぶ維持管理業務は遠方より行うには困難なケースも多く、地元の中小企業が参画する例もある」とのこと。新分野へ模索がテーマの一つであるなら地力を持つ地方業者もアンテナを張っていて損はなさそうだ。(本・UT)

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