コラム

2003/04/19

誇れなくなった日本の安全(さ・YW)

2003.04.19 【誇れなくなった日本の安全】

▼当然のことと考えていた「日本において安全・安心が最も高価な買い物になった」と溜息をつく今日このごろである

▼昨今のテレビのニュースで名古屋や神奈川県内の連続通り魔が話題になっている。怖くて道も歩けない。人から道を尋ねられた時など、親切に教えるのではなく無視することが良いことなのかと考えなくてはならない。これでは日本古来の伝統である優しさ、地域のコミュニティーなどはあったものではない

▼奇しくも、わが国にきわめて近い朝鮮半島で何かあってもおかしくない状況だ。とりわけ戦後生まれの平和の温床で育った者にとっては当然だった安全が、本当にただごとでなくなってきた。語弊があるだろうか、平和ぼけがどこに行っても目につくのが日本人であるのも事実

▼2000年版外務省海外邦人援護統計によれば、日本人の強盗被害が最も多かった国がスペイン。スペイン1か国だけで全世界の3割、ヨーロッパでは7割を占める。つまり、ヨーロッパで強盗被害にあった10人のうち7人がスペインで起こったことになる。恥を忍んで、筆者も2年前にサッカー場でスリ、さらに翌日ホテルでスーツケースごと盗まれ、泣きたくなるような出来事があった。ひどいことに、被害証明書発行で警察に行くと「自分で見ていない者が悪い、だから日本人は甘いのだ」といわれた

▼確かに、筆者も含め日本人は安全はこれまで身近だったことから、用心の心を忘れているのだろう。しかし、日本人の粘り強く、親切で、頑張りやなどといった気質、さらに安全で経済的に豊かという誇れる自慢がここにきて崩れている。反省しきりである。(さ・YW)

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