コラム

2003/05/02

隅田川の風情を楽しむ(さ・HY)

2003.05.02 【隅田川の風情を楽しむ】

▼瀧廉太郎作曲・武島又次郎作詞の「春のうららの隅田川・・・」の歌い出しで有名な「花」には、「何にたとふべき」というほどの朝夕や春の美しい情景が歌詞で語られている。作曲は1900年頃だが当時と情景は大きく変化しているだろうが、今でも多くの屋形船や運搬船が行き交い、川面から航跡が消える暇もないほど

▼中でも水上バスは、浅草やお台場などへの交通手段として、また気軽な観光クルーズとしても人気が高い。全長23?の隅田川には、勝鬨橋、中央大橋、吾妻橋や清洲橋をはじめ、約30もの橋梁が架けられているが、ご承知の方も多いだろうが1橋ごとに個性ある意匠がある

▼主な橋で一番古いものは永代橋。建設は大正15年、橋長約185?、幅員22?の鋼アーチ桁。日本の道路橋として初めて鋼橋である。男性的と言われるデザインは、ドイツのライン河に架かっていたレマーゲンの鉄道橋を参考にしたそうだ。最初に建設されたのは元禄11年と伝えられ、赤穂浪士の吉良邸討ち入りの帰りに、永代橋を渡って高輪泉岳寺に向かった事は近記念碑にも残る

▼さまざまなエピソードのある橋に注目して、水上バスを利用するのも楽しいだろう。夜にはライトアップもしているので、橋が多い下流ではライトアップを楽しむことも出来る

▼隅田川には、高水敷きと言えるものはないが、両岸には遊歩道やデッキが整備され、地元の花好きなボランティアが世話をしている。手摺の向こう側はすぐ川、釣りを楽しむ人もおり、ハゼ、ボラ、スズキなどが釣れる。桜の季節は終わったが、散歩に最適な季節となった。のんびり、歩いてみるのもいい。(さ・HY)

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