コラム

2003/05/08

進む農業のIT化(新・KK)

2003.05.08 【進む農業のIT化】

▼情報通信技術(IT)が飛躍的に進展する中、相対的にIT化への対応が遅れている農業分野において、積極的なIT活用施策が進められている。中でも興味深いものとして、農業者等の情報リテラシー(活用)向上機能を備えた高度情報化拠点施設の整備がある。これは農林水産省が進める経営支援情報化施設整備の補助対象事業となっている

▼主な目的は生産技術の高度化で、稲の生育及び品質、収穫の予測能力が格段に向上する。その他の面でも高付加価値有利販売への取り組みやIT活用による新たな営農展開の推進などが期待される。施設を通じて今までにない様々な情報の取得・管理が出来るという

▼とりわけ驚くのは衛星画像の活用による圃場の解析。例えば水稲の葉色を解析することで稲体のタンパク含量を算出し、栽培管理の指針とすることが可能になる。簡単に言えば、美味しい低タンパクの米が育っているかどうかを衛星画像から瞬時に識別できる

▼一般的に米の食味を決めるは、一にアミロース、二にタンパク質と言われている。そのため、タンパク質の含有量を抑えるためにどの稲に手を加え、どの田の土壌を改良すれば良いのかが一目で分かるようになる。また、最適期の刈り取り・集荷情報の伝達を併せて実施することで、一定の味が保証された「ブランド米」が各地で確立される仕組みだ

▼現在の日本では、特定の産地で栽培されたブランド米が依然高い人気を誇っている。しかし近い将来、高度な情報技術を活用した高付加価値の「ブランド米」が確立され、従来のブランド米と肩を並べる程に高い評価を得る日が来るだろう。(新・KK)

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