コラム

2003/05/17

4月解禁ということ(本・HK)

2003.05.17 【4月解禁ということ】

▼北海道に春を告げる銀の輝きが水揚げされた。鮭漁の解禁だ。一般に鮭(シロザケ)は、秋鰺(アキアジ)と書かれるように秋の魚とされる。しかし、鮭漁の解禁は毎年4月である

▼この時期に獲れる鮭は、トキシラズ(時不知)と地元で呼ばれている。通常とは違う季節に獲れるこの鮭は、本来の時期を知らない鮭としてそう呼ばれたと言う。春から初夏に獲れるトキシラズは、産卵期ではないため雄・雌問わず脂がのり、秋鮭以上に美味しい

▼また、鮭にはさらに貴重視されているものもある。一万尾に一本しか獲れない鮭児(ケイジ)や一千尾に一匹とされる目近(メジカ)などである。ケイジは、卵巣、精巣が未成熟。つまり筋子や白子が入っていない。魚体全体に脂がのり、全身トロ状態。メジカも脂ののりが非常に良く、生で食べられることが多い。両鮭も全体の0・1%から1%しか獲れないため高価だ

▼さらに、鮭にはマスノスケ(鱒之介)と呼ばれ、英名で「キングサーモン」その名の通り鮭の王様とされるものもある。ロシアに回帰する一部が北海道で漁獲されるが極めて少なく貴重視されている◆こうした鮭の種類は建設業に類似しているようだ。今年4月2日に産業再生機構法が成立。大手・準大手ゼネコンの定義ができ、建設業約56万社のうち約60社がこれに値。建設業の再生も新たに始まる。一握りのトキシラズ・ケイジ・マスノスケは、債務免除などからの経営再建が組まれる。一方、最も数が多い地方中小建設業者(秋鰺)は、厳しい淘汰、が待っている。地方分権が進む今、地場産業の再生支援こそ大事にする必要性があるのでは。(本・HK)

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