コラム

2003/05/20

シンプルと言うこと(水・YH)

2003.05.20 【「シンプル」と言うこと】

▼とにかく個人情報保護法、有事関連三法、SARS、白装束集団等々複雑極まりない社会に翻弄されている。薫風に身をさらしてシンプルな環境の暖かさを忘れ去っている気がしてならない

▼飛鳥新社刊『すべては「単純に!(シンプリファイ)」でうまくいく』という本が話題になっている。ドイツの翻訳書だが、ドイツでは52週連続でベスト10入り、日本でも14万部を超えたノーハウ書だ。副題には「人生をすっきり生きるための33の方法」と。とかく「複雑こそ文化」とする発想が闊歩する昨今で、おおいに説得力がある

▼内容を文字通りシンプルに紹介すると、とかく我々は単純にするために逆に複雑な物を生み出してしまう。「わかりやすく単純に生きる」ために7段からなるピラミッドに置き換えている。まず基礎的な段階から順次上へ「物」「お金」「時間」「健康」「人間関係」「パートナー」と続き「あなた自身」が頂点だ

▼これらをシンプルにするために33のアイデアを提示。例えば「75%で満杯と考えよう」。さらにここんな例も「携帯電話の取扱説明書の分厚いこと」と。まさに「然り」。そしてストレスは限りなく山積して行く。確かにこの33項目をクリアー出来たら「悟り」の域だが

▼かつて推古11年(西暦604年)に聖徳太子は十七条だけの憲法で社会を治めた。実に解りやすく説得力がある。それは取りも直さず「趣旨がシンプル」であるからに他ならない。近年、建設業界は余りにも法の下で複雑さが要求されている。業界に求められる究極は強引だが「良い物を作る」ことだろう。業者個々の「匠」の肝心さを求めれば良いのでは。(水・YH)

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