コラム

2003/05/22

自分の味を追及する

2003.05.22 【自分の味を追及する】

▼急にラーメンを食べたくなる時がある。こんな時に思い出すのは口コミやマスメディアからの情報。しかし評判の店というのは行列になっており、しかも長い時間を待ってようやくありつけるが、味も自分の味覚に合わず落胆することもある

▼ラーメンブームは随分長く続いている。テレビや雑誌でも多く取り上げられ、今や味よりも情報を食しているとまで言われる。しかしブームを支えているのは全国の店主たちであろう。これまでにないオリジナルの味を追求する姿勢を感じる店も少なくない

▼今春の紫綬褒章を受章したジャズピアニスト山下洋輔氏はインタビューで「これからも既存のスタイルを壊す」と語っている。ジャズはラーメンほどのブームはないが、しかしミュージシャンによる新しさの追求、独自性の模索によって聴衆を魅了し続けている。ジャズもラーメンも、伝統継承とは逆に破壊と創造によってその文化を継続し発展させているように思う

▼建設業界でも新たな動きが目立つ。異分野、飲食業やホテルなどサービス業へ進出し始めている。建設業の知識によって別の業界に新風を巻き起こすことは大いに可能だ。経験を建設業にフィードバックさせることで新しい道筋や独自の手法を発見できるかもしれない。現状打破が求められる現在、色々な策が練られて然るべきである

▼話はラーメンに戻る。行列に並ぶのは嫌だがラーメンは食べたいということで空いている店を選ぶと、これまた後悔することが多い。空いている理由も即座に理解する。どうやら客として、ただ食べるということでも、自分の味を見つけることは難しいようである。

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